[米軍]xバンドレーダーとは?京丹後,搬入開始,国土交通省,青森?

米軍の移動式早期警戒レーダーであるxバンドレーダーが日本国内で2カ所目となる京都府京丹後市の経ヶ岬通信所に搬入されました。ミサイル防衛において重要な役割を果たすxバンドレーダーについて見ていきましょう。

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xバンドレーダーとは「xバンド」と呼ばれるマイクロ波を使用したレーダーのことであり、主に軍事用・気象観測用に用いられます。使用する周波数が短長波のものであり、発信出力と解像度が大きいのが特徴です。

そのため、探知能力と探知距離が優れており、ミサイル防衛において弾道ミサイルの飛来をいち早く察知・追尾する役割が期待されています。この高性能なxバンドレーダーは海上配備型と移動式のものがあり、京丹後市に配備されたのは後者のものです。

 

海上配備型

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今回配備されたのは移動式のxバンドレーダー「AN/TPY-2」であり、これは当初はTHAADミサイルシステムの装備として開発されたものです(⇒詳しくはコチラ)。

xバンドレーダーは上記のように元々はTHAADミサイルシステムにおいて弾道ミサイルの探知と精密な追尾を担当していたため、ミサイル防衛においては「適任者」として採用されました。「AN/TPY-2」は半導体素子で構成されたフェイズド・アレイ・レーダーであり、最大4000kmの探知距離を誇るとみられています。

 

○性能諸元

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全長:13m

高さ:3m

探知距離:1000〜4000km

運用要員:最大160名

 

xバンドレーダー「AN/TPY-2」は弾道ミサイルが発射されると素早く探知して発射地点の特定、着弾地点及び時間の予測、精密追尾などをこなします。さらに、複数弾頭や囮も認識することが可能であり、高い性能を持つ多機能レーダーです。

レーダーは「AN/TPY-2」の本体に加えて電源装置、電子装置、冷却装置、統制装置などのセットで運用されます。そして移動式のため、大型トレーラーでの運搬が可能となっています。

 

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この移動式xバンドレーダー「AN/TPY-2」が日本に配備されるのは青森県つがる市の車力分屯基地に続いて2カ所目です。車力分屯基地は航空自衛隊の基地であり、2006年にxバンドレーダーが配備されて米軍通信所が同設されました。

今回京丹後市に配備されたのは北朝鮮の弾道ミサイルが米国本土に向けて発射された場合に日本海上空を通るためだと考えられます。日本海に面しており、北朝鮮全土が探知距離に入る経ヶ岬に配備されたのはこうした背景があると思われます。

 

仮に北朝鮮から弾道ミサイルが発射された場合はxバンドレーダーでいち早くミサイルを探知、追尾します。そして探知情報や分析情報は洋上のイージス艦や陸の迎撃ミサイル部隊に伝達されます。こうした情報は自衛隊とも共有される予定で、有事における日米の連携を強化する狙いもあります。

 

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xバンドレーダーのセットは大型トレーラーによって2014年10月21日の朝4時に石川県にある航空自衛隊の小松基地から京丹後市の経ヶ岬通信所に搬入されました。12月までには必要な施設の建設が完了する予定で、本格運用が始まります。

経ヶ岬通信所は近畿地方における唯一の米軍基地であり、xバンドレーダーの搬入にアメリカ陸軍第14ミサイル防衛中隊が発足しました。運用は約160人ほどで行われる予定で、この内軍人は20名ほどです。残りは軍属という身分として扱われます。

 

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さて、今回のxバンドレーダーの配備に対して一部の住民が抗議活動を行いました。xバンドレーダーはかなり強力なレーダーであるため、電磁波による人体や環境への影響を心配する声があります。そして有事の際は軍事基地が攻撃目標になるという不安から一部の周辺住民からは反対の声が上がっています。

これに対して防衛省は今回の配備についての説明や疑問への返答を発表してあるのでぜひ一読を。

防衛省の説明は⇒コチラ

 

実際、xバンドレーダーは高性能である分、かなり強力な電磁波を発します。そのため、航空機の計器に対する悪影響がある可能性が否めず、国土交通省は経ヶ岬通信所の半径6kmに飛行制限区域を設ける予定です。

賛否両論あるxバンドレーダーの配備ですが、軍事用の他にも気象観測用にも用いられています。国土交通省の外局である気象庁は近年激しさを増すゲリラ豪雨に対する察知能力を向上させるためにxバンドMPレーダーなるものの全国配置を進めています。

 

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ミサイル防衛という観点から考えるとxバンドレーダーの配備は望ましいと言えるでしょう。実際に北朝鮮から発射された弾道ミサイルを素早く察知する早期警戒能力の向上に繋がるでしょうし、仮に米国本土を守るための配備であってもそのレーダーの性能を日本の防衛のために生かすように試みるべきでしょう。

地元住民の安全を十分に考慮しながら、xバンドレーダーで得られた情報をリアルタイムで自衛隊と共有させて日本の安全保障のために役立てるべきです。米軍との連携を強化しつつ、米軍の高性能な装備や探知、情報分析能力をいかに日本の防衛のために「利用」するかを考えるべきでしょう。

 

画像引用元:http://www.raytheon.com

 

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