[アメリカ空軍]B-1爆撃機とは?性能,価格,死の白鳥,ランサー,北朝鮮,グアム島?

朝鮮半島情勢が急速に悪化しており、アメリカと北朝鮮の対立が深刻です。そんな中、アメリカは北朝鮮を牽制・抑止するためにB-1爆撃機を朝鮮半島付近で定期飛行しています。流線的な機体から「死の白鳥」とも呼ばれるこの戦略爆撃機は米朝が激突した場合に必ず使用される兵器の一つです。

B-1爆撃機ランサーの性能は?

B-1爆撃機は長年にわたって活躍し、今も現役であるB-52爆撃機の後継として開発されました。アメリカ空軍は1986年より運用しており、爆撃機としては珍しい「可変翼」です(翼が動いて調整できる)。これは冷戦期にソ連から攻撃を受けて主要基地が破壊されても、生き残った短い滑走路を使って出撃できるようにするためです。

一度は開発が中止され、4機の試験用機体しか生産されませんでしたが、その後はレーガン政権下で配備が進められて計104機が作られました。ちなみに、最初の4機を「B-1A」、量産型を「B-1B」と呼びます。現在は60〜66機ほどを運用していると思われ、槍騎兵を意味する「ランサー」の愛称で親しまれている一方で「死の白鳥」とも恐れられています。実戦では2003年のイラク侵攻や最近の対IS爆撃で使用されています。

○性能諸元:B-1爆撃機

全長:44.8m

最大幅:41.6

最高速度:マッハ1.25(時速1,543km)

航続距離:11,978km

武装:最大56t(機内34t+機外23t)

乗員:4人

価格:およそ310億円

B-1は通常の戦略爆撃に加えて、超低空から侵入して核や通常攻撃を実施したり、長距離ミサイルを発射する母機としても活躍できます。ステルス機として開発されたわけではありませんが、電波吸収剤などを使用しているため、一定のステルス効果はあります。

マルチな任務に対応するために、電子機器や計測機器はかなり充実しており、優秀なレーダーに加えて赤外線監視装置や電波妨害装置なども装備されています。最新のスナイパーポッドと呼ばれる機器も搭載しており、能力は着実に向上しています。これらの電子機器を使って、対地巡航ミサイルや誘導爆弾などの多種多様な兵器を運用することができ、最大搭載量も56トンという量です(B-29は9トン)。例えば、破壊力が凄まじい対地巡航ミサイルを8発搭載できたり、500ポンド爆弾(227kg)なら84発も載せられます。

グアム配備のランサーが北朝鮮へ?

さて、今年2017年は北朝鮮情勢がかなり危うくなってきてます。アメリカと北朝鮮の威嚇の応酬はエスカレートしており、遂に北朝鮮はアメリカ領グアムの沖合にミサイル4発を着弾させると明言しました。これは前代未聞の挑発であり、仮に実行すればアメリカによる何らかの報復・制裁は免れないでしょう。なにしろ、今までは日本の排他的経済水域に着弾していましたが、今度は「アメリカ領」を狙うと公言したのです。

では、なぜグアム島なのか?この疑問を持った方も多いのではないでしょうか。「グアム」と聞けば大抵の日本人はリゾート地や綺麗な海をイメージするでしょう。しかし、グアムというのは太平洋におけるアメリカの重要な軍事拠点です。それも、ハワイ、沖縄と並ぶ戦略的要衝です。

グアムには島の面積の1/3を占める巨大な軍事基地が存在します。3,000m級の滑走路2本を持つアンダーセン空軍基地がその大半を占めますが、海軍基地も原子力潜水艦の拠点となっています。元々、日本本土を爆撃するB-29の拠点だったアンダーセン空軍基地にはB-52、B-2ステルス爆撃機、そして今回のB-1と行った各種爆撃機が展開しています。これらは北朝鮮まで2時間ほどで到達することが可能で、金正恩としては厄介かつ恐れる状況です。

朝鮮半島近海に展開する空母や沖縄県の嘉手納基地も目障りでしょうが、戦略爆撃機を常時配備しているグアム島はまさに一番嫌な存在です。さらに、海軍基地には世界最強と評される米第7艦隊の原子力潜水艦部隊が配備されており、これらもいつ北朝鮮周辺に潜んで攻撃してくるか分かりません。そのため、グアム島は北朝鮮から見れば、「無力化したい」場所の優先度が高いのです。

 

B-1爆撃機と自衛隊F-2戦闘機の共同訓練
(出典:アメリカ空軍)

実際、朝鮮半島で有事が起これば、グアムから潜水艦や戦略爆撃機は出撃しますし、他からの増援もグアムを経由して来るでしょう。そういう要因があったから、今回はグアムをターゲットにしたと考えられます。アメリカ軍はここ数ヶ月間にわたってB-1爆撃を定期的に出撃させて自衛隊や韓国軍との共同訓練(パトロール)を行なっています。

でも、グアム島を目障りと考えているのは北朝鮮だけではありません。海洋進出を強める中国もこの戦略的要衝の存在を苦々しく思っています。以前、言及したように中国にとって最大の関心事は台湾有事です。台湾を統一する時に、アメリカ軍の来援をいかに遠くで阻止して封じ込めるかが成否のカギとなります。そこで第一列島線・第二列島線構想を進めていますが、グアム島はちょうどこの第二列島線の要です。

戦略爆撃機や原子力潜水艦の拠点であり、有事の際には増援が一旦集結するポイントであることは台湾有事(アジアにおけるその他の紛争も同様)にも当てはまります。つまり、中国としてもグアム島は「無力化したい」拠点なのです。逆にアメリカからすれば、グアム島は在韓米軍と在日米軍を支える拠点であり、ハワイと結ぶ重要な連絡点でもあります。まさに、太平洋におけるチョークポイントであり、決して手放さないでしょう。そのため、ここにB-1爆撃機を展開するのは周辺への明確なメッセージとなり、有事の際にも迅速な行動を遂行できます。

画像引用元:www.af.mil(アメリカ空軍HP)

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