[A-10サンダーボルトⅡ]最強の攻撃機?伝説,退役,後継機,日本配備,横田基地?

ネット上で「最強の攻撃機」として話題となるA-10サンダーボルトⅡ。アメリカ空軍が運用している対地攻撃機であり、高い耐久性と強力な地上攻撃能力から40年以上にわたって重宝されています。前線の地上兵士にとっては頼もしい味方であり、敵にとっては悪魔のような航空機です。

最強の攻撃機A-10?

A-10はアメリカ空軍が運用している「近接航空支援専用機」です。主な役割は上空から味方の地上部隊を支援することであり、敵(戦車などの装甲部隊)に対する対地攻撃能力は世界屈指のものです。第二次世界大戦で航空機による対地攻撃は敵に打撃を与え、味方を援護するために不可欠のものとなりました。しかし、戦後に登場した超音速機などはある程度の低空・低速が求められる対地支援任務には不向きです。

そして、ベトナム戦争で近接支援(対地攻撃)に特化し、「撃たれ強い」航空機の必要性を痛感したアメリカ軍はA-10の開発に着手します。冷戦中ということもあり、A-10はソ連軍機甲部隊に十分な打撃を与える能力が求められます。1976年から配備され始めたA-10は低高度・低速度でも良好な運動性能を誇り、累計715機が生産されました。飛行性能の特徴として、高度300m以下、時速560km程度で飛行することができ、地上目標に対して確実な攻撃を遂行します。

○性能諸元:A-10サンダーボルトⅡ

全長:16.1m

最大幅:17.4m

巡航速度:時速560km

最高速度:時速704km

航続距離:4,100km

実用上昇限度:13,640m

固定武装:30mmガトリング砲×1

搭載可能兵装量:7t

乗員:1名

価格:1機あたり約13億円

A-10最大の特徴といえば、やはり機体前方に取り付けられた30mmガトリング砲でしょう。GAU-8アヴェンジャーガトリングと呼ばれるこの武装は毎分3,900発撃つことができ、運動エネルギーと組み合わさったその破壊力は抜群です。通常は1,174発を搭載しており、攻撃された戦車などは文字どおり「ハチの巣」になります。このGAU-8はA-10のシンボルでもあり、このガトリング砲に合わせて機体設計がなされているほどです。

他にもマーベリック空対地ミサイルやロケット弾を搭載でき、敵の対空ミサイル発射基などを攻撃する際はこちらを主に使用します。もちろん、通常爆弾も搭載可能であり、出撃時には電子妨害装置や空対空ミサイルも装備します。

もはや戦場の伝説?

さらに、機体は頑丈なことで有名で、多少の被弾では問題なく飛行し続けます。操縦系統(システム)が二重化されているため、エンジンの片方や翼の一部が吹っ飛ばされても操縦して帰投することが可能です。20mm機関砲の直撃を受けても特に問題がないように機体が設計されており、防火性や消化装置も充実しています。

この耐久性を証明したのが湾岸戦争です。出撃した140機近くのA-10のうち、半分の70機が何らかの被弾をしますが、実際に墜落したのは6機ほどです。地対空ミサイルが後部に直撃したり、実際にエンジンを片方吹っ飛ばされたにもかかわらず、無事生還する有様です。まさに、戦場における「伝説」となり、A-10の評価は一気に高まります。

(出典:アメリカ空軍)

湾岸戦争ではA-10によって戦車1,000両近く、車両1,800台、陣地・ミサイル基地1,000以上が破壊されています。これはバケモノじみた大戦果であり、一躍「最強の攻撃機」として名声を高めます。運用当初は、よりマルチな任務が可能なF-16に劣り、不要論すら出ていた A-10ですが、湾岸戦争での一方的な戦果により一気に見直されます。その結果、近代化改修と延命措置を受け、アフガン・イラク戦争でも引き続き地上支援で大活躍します。

そのため、地上軍の兵士からは救世主扱いであり、頼もしい味方です。A-10は公称のサンダーボルトよりもイボイノシシを意味する「ウォートホッグ」の愛称で親しまれており、来るだけで士気が上がると言われています。

本来、A-10の退役を前提に後継機としてはA-7FやF-16の改造版であるA-16が予定されていましたが、予想外の大活躍で取り消されます。2015年にも将来的な退役を目指すとされましたが、その後イスラム国に対する空爆・地上攻撃で戦果を上げ続けたため、またもや取り消されました。現在、退役は無期延期予定であり、今後も近代化改修を受けながら当分の間は重宝されるようです。

日本への配備はあるか?

さて、そんなA-10は現時点で345機ほどが運用されています。地上攻撃任務という性質からA-10はアメリカ本土以外では前線近くの基地に配備されています。つまり、中東のアメリカ軍基地です。そんな対地攻撃機のA-10ですが、昨今の北朝鮮情勢を受けて日本にも配備されるのではないかという話があります。

今までも訓練や移動途中の補給のために横田基地に飛来したことはあります。しかし、実際に配備される動きはないですし、将来的にもないでしょう。A-10は確かに敵の機甲部隊に大打撃を与えられますが、前提条件として敵の防空能力が低いことが求められます。

北朝鮮軍の場合は、それなりの防空能力(対空ミサイルなど)を持っているので出撃させるのはリスクが高いでしょう。出番があるとすれば、既に対空ミサイル陣地や発射基、航空戦力が壊滅しており、アメリカ軍が完全に制空権を握っている状況です。その場合は、北朝鮮軍の機甲部隊を攻撃するためにA-10を出撃させるかもしれませんが、実際に有事が起こった場合はその頃までに決着がついているような気がしますね。仮にA-10を投入するにしても、航続距離を考えれば日本からだと遠すぎます。九州の空自基地か韓国の烏山空軍基地に配備する可能性の方が高いでしょう。

画像引用元:www.af.mil(アメリカ空軍HP)

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