[アメリカ]米海軍が軽空母を導入?日本の海上自衛隊は?対潜,防空?

アメリカ海軍が「軽空母」を新たに導入することを検討しているようです。アメリカの上院軍事委員会で出たこの話によると、現在保有している大型原子力空母とは別にもっと柔軟性と迅速性に富んだ空母を目指しているとのこと。ただ、あくまでアメリカ側から見た「軽」空母なので世界的には十分な「大型空母」となるでしょう。

米海軍の軽空母案とは?

アメリカ海軍は現在、原子力空母を11隻保有しており、それぞれが排水量10万tを超える超大型空母です(戦艦大和が約7万t)。1隻で中小国の空軍力に匹敵すると言われる米海軍の空母ですが、常に展開できるのは多くて4〜5隻です。その他は訓練やメンテナンスで戦線を離脱しなければなりません。

最強の通常兵器とも言われる米空母ですが、作戦時は必ず数隻の護衛艦、潜水艦、補給艦を伴って行動します。そのため、準備に時間はかかる上、強大な戦力を「失う恐怖」が常にあります。貴重な空母を失う恐れから作戦・任務によってはいきなりの投入を躊躇するかもしれません。

そこで、もっと低コスト・小規模な航空戦力(それでも他国と比べて強力)を柔軟に投入できるのが「軽空母」案です。似たような例として、世界の陸軍では従来の師団から機動性と柔軟性に優れる旅団に改編する動きが出ています。海軍も任務によっては大型原子力空母よりも軽空母の方が使い勝手が良いのでしょう。

原子力空母は使い勝手が悪い?
(出典:アメリカ海軍 US Navy)

では、アメリカ海軍の言う「軽空母」とは何でしょうか?そもそも、軽空母とは何なのかという明確な定義はありません。アメリカ海軍からすれば、保有している10万t級原子力空母よりも小さければ軽空母扱いになるでしょう。

例えば、米海軍からすれば7万t級の空母でも軽空母と見ることが可能です。しかし、これはイギリスのクイーン・エリザベス級空母中国の空母「遼寧」と同じ規模です。つまり、米海軍の軽空母は他国から見れば十分「大型」となる可能性が高いです。ただ、それでも10万tの原子力空母よりは柔軟に運用できるのでしょう。

「制海艦構想」と筆者の予想

筆者の予想ですが、米海軍が目指す軽空母は現在運用している強襲揚陸艦のような感じになるのではないかと思います。米海軍が保有している強襲揚陸艦は4万トンですが、「制海艦」として使えば最大20機ほどの戦闘機を搭載できます。

これは軽空母としては十分であり、もし全て最新鋭のF-35ならばその戦力はかなり強大です。もちろん、早期警戒機も必要となるので例えばオスプレイの改造版(EV-22)を搭載する選択肢もあり得ます。そして、いずれ実験中の無人機(UAV)も本格搭載されると思います。4万トン級の軽空母ならば原子力空母よりも「数」は揃えやすいはずです。

強襲揚陸艦も実は強力な航空戦力を搭載できる

「制海艦」は元々1960〜70年代にかけてアメリカで論争を起こした構想です。輸送船団の護衛や対潜哨戒、防空戦闘の支援は大型正規空母よりも低コストの軽空母に任せようという考えです。「質」だけではなく「数」も必要になるので、その部分は軽空母を揃えて正規空母を補完しようとしました。しかし、大型艦の優位性を主張する一派に敗れ、構想は葬られました。

今回は、この制海艦構想の現代版と言えるでしょう。中国海軍に対抗しようと考えた場合は、初戦で数隻しかない原子力空母を投入するよりも軽空母を使って海上・航空優勢を確保する方がリスクは少ないでしょう。特に、中国軍が対艦弾道ミサイルなどの攻撃手段を確立した場合、原子力空母を投入するリスクはさらに高くなります。

ここで、将来の米海軍軽空母がどのような姿になるかを予想します。筆者の推測でしかありませんが、

○アメリカ海軍軽空母

全長:250m?

満載排水量:4〜5万トン?

搭載機:F-35×20機?
EV-22×3〜4機?
UAV×数機?
各種ヘリ×6機?

もちろん、これはあくまで予想であり、さらに大型化して英海軍のクイーン・エリザベス級と変わらない可能性もあります。その場合は、「さすがアメリカ(笑)」って感じですね。

海上自衛隊は保有するか?

ここで気になるのが、ヘリ空母まで持っている海上自衛隊の動向です。確かに、海上自衛隊は順調に空母保有への道を歩んでいるように見えます。しかし、人員不足と予算のことを考えれば、空母を保有するのは難しいでしょう。

空母を運用するならば、本来であれば3隻必要であり、1〜2隻で運用しようと思えばその分クルーを各2セット用意しなければなりません。では、今の海上自衛隊にそんな余裕があるのか?正直ないです。ただでさえ、人員不足で護衛艦の定員が割れた状態で四苦八苦している状態です。ここに軽空母を導入すれば、人手不足と予算不足に拍車をかけるだけです。

防衛費をGDP比2%近くに倍増させて、自衛官定数を増やすなら可能性は見えてきますが、それでも戦力化するまで10年はかかるでしょう。それでも、いま連載されているマンガ「空母いぶき」に近い軽空母ならば保有可能かもしれません。実際、アメリカとしてはアジア太平洋における日本の役割を増大させて「負担共有」をしたいはずです。

そのため、本音では海上自衛隊の軽空母を哨戒パトロールや有事における「制海艦」に使いたいと思うでしょう。ただ、予算と人員の大幅増が見込めない現状では軽空母よりも潜水艦の増強などに力を入れた方がよほど効率的です。

画像引用元:www.navy.mil(アメリカ海軍HP)
www.mod.go.jp/msdf/(海上自衛隊HP)

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