[海上自衛隊]観艦式2015年!応募,チケット倍率,参加艦艇,韓国,意義は?

去る10月18日、相模沖にて海上自衛隊の観艦式が行われました。海上自衛隊としては2012年以来、28回目の観艦式となりましたが、変容する安全保障情勢と安保法案の可決後に行われたこの観艦式は様々な意義がありました。

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10月18日に開催された観艦式には海上自衛隊の艦艇が36隻、航空自衛隊も加えた航空機が30機参加しました。さらに外国からの来客としてアメリカ海軍、オーストラリア海軍、インド海軍、フランス海軍、韓国海軍の艦艇も参加しました。特にアメリカ海軍は当初予定に入ってなかった空母「ロナルド・レーガン」がサプライズ登場しました。

 

空母ロナルド・レーガンについては↓↓↓

[アメリカ海軍]原子力空母ロナルドレーガン横須賀に配備!性能,被曝?

 

韓国海軍は今回13年ぶりに参加しており、冷え込んだままの日韓関係の中でも安全保障面において協力関係を築く姿勢をある程度表していると言えるでしょう。そしてインド・オーストラリア海軍の参加は安全保障面での協力が進む両国との緊密な関係を内外に発信したことでしょう。意外だったのはフランス海軍の存在だったかもしれませんが、日仏は近年安全保障においての協力関係を構築しており、フランスは太平洋の海外領土に太平洋艦隊を配備しており、これとの連携を目指すことはマイナスには働かないでしょう。

 

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参加した仏海軍艦艇「ヴァンデミエール」

 

観艦式には自衛隊の最高指揮官として安倍首相、麻生副首相、中谷防衛相が参加して観閲艦の護衛艦「くらま」に乗艦しました。観艦式は通常は停泊している艦艇によって行なわれますが、海上自衛隊は観閲部隊、それに付き添う部隊、受閲部隊、そして海外艦艇によって構成された祝賀航行部隊がそれぞれ洋上を航行しながら観艦式を実施します。もちろん、動きながら観艦式を行う方が難しいので、海上自衛隊の優れた連携運動や操艦技術を示す機会となります。

部隊はそれぞれすれ違ったり(この時に艦艇の紹介と観閲艦への敬礼が行われる)、航空機による飛行、戦術運動や訓練展示が展開されます。なお、今回は航空自衛隊のブルーインパルスも飛行展示を行って会場を沸かせました。一般の方もそれぞれの艦艇に乗って観艦式に参加できるので実際に現場で楽しむことができます。

 

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2012年の時の様子

 

通常は観艦式が行われる年の8月に海上自衛隊のホームページに掲載される応募要項に従ってハガキで応募します。抽選によってチケットが当たった場合は乗艦券が自宅に送られてきて、それを提示して当日は指定された艦に乗ります。観艦式は1回のみですが、体験航海が観艦式前の2日間に実施されるため、そちらを希望することもできます。ちなみに1人につき、1回しか応募はできず、同伴者は3名まで許可されます(小学生以上が条件)。

しかし、観艦式に限らず、自衛隊関連のイベントはチケットの競争率が近年上昇しており、当選は徐々に難しくなってます。特に今回の観艦式はオンラインゲーム「艦隊コレクション」の人気の影響で倍率が前回よりもかなり跳ね上がって60倍とも言われています(前回は12倍)。残念ながら外れた方やもっと気軽に見たい方は海上自衛隊の特設ホームページやニコニコ生放送にてライブ中継を見ることができます。洋上からの生中継という難しい技術ですが、今回は目立った障害もなくスムーズに中継が行われました。

 

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今回の観艦式で注目を集めた参加艦艇はやはり最大の護衛艦「いずも」とサプライズ登場した米空母「ロナルド・レーガン」でした。他にもイージス艦「あたご」や最新の潜水艦「ずいりゅう」「こくりゅう」が注目されました。航空機に関しては最新のP-1国産哨戒機、米軍のP-8ポセイドン哨戒機、オスプレイ、F-15Jなどが注目を集めました。こうした日米連携の雰囲気を演出したのは集団的自衛権の限定的行使容認を踏まえた日米の連帯感というシグナルを発信しました。

さて、今回の観艦式は政治的な意義やメッセージを発信する機会ともなりました。まずは米空母「ロナルド・レーガン」のサプライズ参加、P-8哨戒機やオスプレイの参加などが日米同盟の強固な関係を内外に示しました。安倍首相による観艦式後の空母「ロナルド・レーガン」への乗艦はそのメッセージをさらに強化しました。現職首相としては初めての米空母への乗艦は日米の絆及び地域の安全保障への揺るぎない意志を見せつけました。こうしたパフォーマンスは目に見える形で大きな政治的意義を持ちます。

 

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そして観艦式に参加した米海軍側の司令官がいつもの第7艦隊ではなく第3艦隊のノラ・タイソン中将であったことが意外な意味合いを持ちます。普通なら海上自衛隊と長きにわたって共同訓練を積み重ね、深い協力関係を築いてきた第7艦隊(横須賀に配備)のアーコイン司令官が観艦式に参加するでしょう。しかし今回はハワイやサンディエゴを拠点とする第3艦隊の司令官が参加しました。

これはアメリカが現在進めている「リバランス政策」と大きな関係があります。リバランス政策で米海軍は艦艇の6割をアジア太平洋方面に配備して台頭する中国海軍に対してのプレゼンス維持を図ります。今までは第7艦隊は日付変更線である東経160度より西の太平洋からインド洋まで、第3艦隊はハワイから米西海岸までの東太平洋を担当範囲としてきました。両艦隊はこうして担当海域で活動しながら太平洋艦隊を構成してきたのです。

 

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安倍首相と握手するノラ・タイソン中将(第3艦隊司令官)

 

しかし、最近この境界線を事実上廃止して、第3艦隊がもっと活発に西太平洋で活動できるようにする考えが米海軍内で急速に広まりつつあるとのことです。従来の決まりでは第3艦隊が西太平洋で活動するには第7艦隊に報告した後にその管轄下に入っていたそうですが、もし廃止されれば、空母4隻保有する強力な第3艦隊がより一層アジアにおける地域安全保障に積極的かつ柔軟に対応できることが期待されます。

今回のタイソン中将による観艦式への出席は近い将来における第3艦隊の西太平洋への定期的な進出と同盟国との連携を示唆するものではないでしょうか。この構想に現実味を帯びさせる第3艦隊司令官の出席は中国側にとってアメリカの意思を伝える重要なシグナルと牽制になったでしょう。

このように今回の観艦式は緊迫化するアジア太平洋における安全保障情勢を受けて様々な政治的メッセージが中国や北朝鮮に向けて発せられました。そういう意味では日本とアメリカの力による現状変更を容認しない立場と意思を明確に醸し出した有意義な観艦式でした。

 

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⚪︎画像引用元:

http://www.mod.go.jp/msdf/ (海上自衛隊HP)

http://www.kantei.go.jp (首相官邸HP)

http://www.facebook.com/Thirdfleet?fref=ts (米第3艦隊FB)

 

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