船員が予備自衛官?PFI式で自衛隊輸送に民間船使用

防衛省が有事の時の輸送に使用する民間船の船員を予備自衛官とする構想を持っていることが判明した。フェリーの「ナッチャンworld」や「はくおう」を活用するようですが、事実上の「徴用」であるとの指摘があり、是非をめぐって色々議論が起こりそうです。

 

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防衛省は有事の際に自衛隊の輸送を迅速に行うために海上自衛隊の輸送艦艇の他に民間フェリーも活用する方針です。その際に民間船の船員を予備自衛官として輸送任務に従事してもらうという構想を持っているとのことです。

自衛隊が目をつけているのがかつて函館~青森間を繋いでいた民間フェリー「ナッチャンWorld」と敦賀・舞鶴~北海道を結んでいた「はくおう(旧すずらん)」です。この2隻はいずれも演習の時に戦車などの装備品や物資を運搬した実績があり、輸送能力も高いようです。

○性能諸元

・ナッチャンWorld

排水量:10712t

全長:112m

全幅:30.5m

速力:36ノット

定員:1746名

最大搭載車両:普通自動車350台or普通自動車195台とトラック33台

 

ナッチャンWorld(手前)

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・はくおう

排水量:17345t

全長:199.5m

全幅:25m

速力:29.4ノット

定員:507人

最大搭載車両:普通自動車80台とトラック122台

 

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以上のように2隻とも輸送船としての能力は十分であり、搭載量や速力は海上自衛隊の輸送艦※「おおすみ」にも勝るとも劣らない性能を持っています。特にナッチャンWorldは36ノットの高速輸送船として活用することが期待されており、搭載量も多いです。そのため、2011年の東日本大震災や九州での演習では陸上自衛隊の隊員、装備や物資を輸送しました。

 

おおすみ型輸送艦

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ナッチャンWorldは双胴型の高速船であり、輸送船としては申し分ない性能の船型です。実際に米海軍では同様の双胴型高速船をチャーター利用したことがあります。

 

米海軍の使用した船

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自衛隊は南西諸島防衛を重視していますが、輸送艦艇の不足が指摘されています。輸送艦としておおすみ型が3隻ありますが、離島奪還作戦などを遂行するには輸送力の不足が不安視されています。強襲揚陸艦の導入などが検討されていますが、予算状況が厳しいため新型の輸送艦などを建造するのは難しいようです。そのため、民間船の活用を検討し始めたわけです。

防衛省はPFI式というのを用いて上記の2隻を活用する方針のようです。PFI式とは民間の資本を使って特別会社を設立して民間に公共サービスなどを提供させるというものです。つまり半官半民のような形をとるという感じですね。

防衛省は来年に上記の2隻を所有する2つのフェリー会社などが出資して特別会社を設立。平時の際は民間利用して、有事の際に自衛隊の貴重な輸送力として活用するようです。

 

このような例は戦前や戦時中にも見られ、有名なのが改装空母「隼鷹」でしょう。これは日本郵船の客船として建造されましたが、戦時には海軍に空母に転用されることが前提になっていました。この時は政府が建造費を負担しましたが、平時は民間利用、有事は徴用という意味では今回の構想と似ているでしょう。

 

空母隼鷹

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さて、有事の際にナッチャンWorldとはくおうを自衛隊の輸送船として利用する今回の構想。そのため、特別会社の船員を予備自衛官にする考えです。運用には特別会社の予備自衛官と海上自衛官OBなどを充てるつもりのようです。これによってより安定した運用を目指します。

もちろん、防衛省は「強制徴用」にならないように特別会社の社員が予備自衛官になるかどうかは本人の任意とするとのことです。つまり、その船員が予備自衛官になるかどうかは本人が決めることです。どちらにしろ、有事の際には危険な任務に就くことも十分考えられるため、選択権があるとはいえ、かなり難しい判断となるでしょう。

 

輸送力不足を解消して、離島防衛の能力強化を目指した今回の構想は自衛隊の今までの歴史を考えるとかなり画期的です。しかし、有事の際に民間船を作戦に投入する場合は前大戦の反省を基にしっかりとした護衛をつけることが肝心でしょう。

 

画像引用元:http://www.mod.go.jp/msdf/index.html

http://www.tsugarukaikyo.co.jp/

http://www.snf.jp/

参照元:http://mainichi.jp/select/news/20140803k0000e040096000c.html

 

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