海賊対策の多国籍部隊トップに自衛隊司令官!

ソマリア沖の海賊対策任務に従事している多国籍部隊「CTF151」の指揮官に海上自衛隊の伊藤弘海将補が就任することになりました。自衛隊の指揮官が多国籍部隊のトップに就任するのは初の事例となります。

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ご存知の方も多いと思いますが海上自衛隊は2009年よりソマリア沖に出現する海賊対策のために護衛艦と哨戒機を派遣しています。ソマリアという国はアフリカ東部に位置する「破綻国家」であり、中央政府と各地の勢力が群雄割拠する様相を呈しています。

そしてこのソマリアという国の沖合はスエズ運河を通行するために毎年2万隻の船舶が往来する一大通商路です。そのため、破綻国家であるソマリアの武装勢力などがこれらの船舶を高速の小型船で襲撃して船員を人質に取って身代金を要求するという海賊行為が後を絶たないのです。

 

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多くの日本商船もこの交通の要衝を通航するため、他人事ではありません。そこで各国は商船団を海賊から守るために海軍艦船を派遣しました。日本も2009年に自国の商船を護衛するために護衛艦を派遣しました。

 

海上自衛隊の海賊対策部隊は主に護衛艦2隻(艦載ヘリコプター含む)とP3-C哨戒機2機によって構成されています。アデン湾の入り口に位置するジプチという国に活動拠点を置いています。護衛艦はジプチ港などを拠点として活用しており、航空隊はジプチ国際空港の一角を借りて格納庫と隊舎などを建設して活用しています。これは自衛隊にとって初の海外拠点です。

ジプチ国際空港の拠点には警備のための陸上自衛隊員が50名ほど駐屯しており、航空自衛隊もC-130輸送機と人員を空輸支援のために派遣しています。

海上自衛隊の海賊対策部隊には海上保安官が数名乗艦しており、海賊の逮捕と司法手続きを担当します。これは海上自衛官には司法警察権がないため、その権限は海上保安官に委ねられます。

海賊対策部隊は「海賊対処法」を法的根拠として活動しており、停船命令などを無視した海賊船が商船などに接近を試みた場合は船体への射撃が可能です。そして当初は日本商船などに限定されていた護衛対象の船舶もこの法律によって船籍や乗組員の国籍に関係なく護衛することができるようになりました。

 

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護衛方式ですが、当初は護衛対象の船舶で船団を組んで前後に護衛艦を1隻ずつ配置して哨戒機や哨戒ヘリなどで上空監視を行うというものでした。護衛を希望する船舶は予め決められたポイントに集結して船団を組んで900kmを2日ほどかけて航行します。

しかし、2013年からは護衛艦のうち1隻を多国籍部隊である第151合同任務部隊(CTF151)に派遣してゾーンディフェンス方式に参加させるようになりました。ゾーンディフェンスとは各国海軍の艦船にそれぞれ担当海域を割り当てて、その海域に留まって警戒監視するというものです。これによってより広い海域の監視が可能となり、各国艦船と協力しながら非常事態に迅速に対応できるというコンセプトです。

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http://www.mod.go.jp/js/Activity/Anti-piracy/anti-piracy.htmより引用

 

現在、海賊対策部隊は従来の直接護衛に護衛艦1隻を、多国籍部隊に護衛艦1隻を派遣してP3-C哨戒機はより広範囲な海域を上空からパトロールするという活動になっています。その多国籍部隊のトップの司令官は3ヶ月ごとに交代することとなっており、今回は海上自衛隊の指揮官の出番というわけですね。

この多国籍部隊にはアメリカ、カナダ、イギリス、フランス、デンマーク、オーストラリア、パキスタンの海軍艦船が参加しており、韓国海軍も状況に応じて参加しています。伊藤弘海将補が司令官を務めるのは今年の5月末から7月末までであり、自衛隊としては初めて多国籍部隊のトップを担当します。

 

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この多国籍部隊に自衛隊を参加させ、尚且つ司令官をも経験することは各国との協調や連携能力を高める効果があるでしょう。実際の任務という状況の中で各国部隊と連携して対処するという経験は自衛隊の技能向上に大いに役立つものと信じます。

さらに、国際貢献の姿勢をアピールするだけではなく、米軍以外との協力の経験という意味では貴重といえます。今後、自衛隊が様々な国との協力・連携を進めていく中で今回の任務は重要な糧となることでしょう。

追記:久々の記事となってしまい、かなり遅いですが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。個人ブログ感覚で書いており、更新が滞りがちですがどうか変わらぬ閲覧のほどをよろしくお願いします。

 

画像引用元:

http://www.mod.go.jp/js/Activity/Anti-piracy/anti-piracy.htm

http://www.mod.go.jp/msdf/

http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/somali/

 

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