[海上自衛隊]TC-90練習機をフィリピンへ貸与!性能,P-3C,巡視船も?

退役した海上自衛隊の練習機「TC−90」をフィリピン海軍に貸与することが決まりました。日本同様に中国の海洋進出に直面するフィリピンの軍備は脆弱であり、日本としてはこれを支援して南シナ海で中国を牽制する狙いがあります。

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海上自衛隊のTC-90練習機は元々は航空基地間の連絡輸送機として5機配備されていたLC-90の派生型として生まれたものです。TC-90練習機はほとんどが徳島県の教育航空群に配備されており、退役した機体も幾つかあります。練習機であり、高性能なレーダー類は搭載されていませんが、航続距離は現行のフィリピン海軍機よりは長いため、南シナ海での警戒監視活動を始める機体としては最適といえるでしょう。

 

⚪︎性能:TC-90

全長:10.8m

最大幅:15.32m

高さ:4.3m

乗員:5名

巡航速度:時速362km

実用上昇限度:9,084m

航続距離:1,926km

 

フィリピンは南シナ海にて中国と対峙していますが、軍事力でも海洋警察力でも圧倒的に不利です。陸軍や海兵隊はアメリカとの合同訓練などを通して技量を向上させつつありますが、海軍と空軍は「アジア最弱」と指摘されています。フィリピン海軍はアメリカ沿岸警備隊などから払い下げてもらった中古艦艇が主力であり、その数も全然足りていません。なんと第二次世界大戦中に就役したアメリカ海軍の駆逐艦がフィリピン海軍の貴重な戦力として未だに現役な有様です。空軍の方も戦闘機は現段階では1機しか保有しておらず(分類上は軽攻撃機)、対岸の中国からすれば軍事力は無いに等しいです。

しかし、90年代の在フィリピン米軍撤退後に南シナ海で中国にミスチーフ礁という島(岩礁)を占拠された上に近年はさらに中国の進出に手を焼いています。残念ながらアジア最弱とも揶揄されるフィリピンの軍備ではこれに対抗できず、軍事力の強化が急務となっています。既に韓国から上記の戦闘機(軽攻撃機)を12機購入することで合意しており、アメリカ軍の事実上の駐留も予定されています(名目上はローテーション配備)。

 

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そして、フィリピンは日本にも支援を要請しており、安倍政権はODAから新造多目的船10隻をフィリピンに供与することを決めています(既に建造中)。この多目的船は巡視船として沿岸警備隊で使用されることが予想されます。沿岸警備隊は軍隊ではないため、ODAからの供与という形となりました。

昨年から中国が南シナ海で人工島を構築して軍隊を配備していることが確実視されているため、フィリピンの警戒監視能力を一刻も早く育成することが求められています。そこで今回のTC-90練習機の貸与の出番となります。当初は中古のP-3C哨戒機を貸与する話が浮かびましたが、高性能なレーダー類を搭載してその収集した情報を分析する必要のあるP-3Cをいきなり運用するのは難しいと判断された模様です。

まずは比較的運用が容易なTC-90を5機ほど貸与してその運用を踏まえた上で近い将来P-3Cを貸与もしくは供与すると思われます。実際に昨年6月に海上自衛隊はP-3Cを1機派遣してフィリピン側と合同訓練を行いました。これは将来的なP-3Cの貸与・供与への布石ともとれます。貸与されるTC-90はレーダーを搭載して主に目視との両方で海上監視を実施する予定です。潜水艦などは探知できませんが、航行する中国公船や漁船、建造中の人工島などは監視できるため有効活用はできるでしょう。ちなみに武器輸出三原則の緩和を受けて今回の練習機のフィリピン海軍への貸与が可能となっています。

 

 

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いずれ貸与・供与される可能性の高い P-3C

 

 

日本としては南シナ海での警戒監視活動の必要性は重々承知しているものの、自衛隊をそこに割くだけの余力はありません。仮に派遣できたとしても基地が必要であり、政治的な問題に直面します。そこで地域の当該国で中国の圧力に押されている国々、主にベトナムとフィリピンの警戒監視能力を強化するために支援するという手段を用いています。ベトナムにも中古の漁業監視船などを無償で供与しており、巡視船として活動しています。このように今後もこうした国々の海洋警察力や海上監視能力を強化するために日本は中古の船舶や航空機を貸与、供与していくことでしょう。

→こちらも参照:自衛隊の中古装備品を無償譲渡へ!

 

画像引用元:www.mod.go.jp/msdf/  (海上自衛隊 HP)

 

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