【中国】対艦弾道ミサイル東風(DF)21D!A2AD,第一列島線/第二列島線構想?

軍拡が著しい中国軍ですが、近年しばしば耳にする「対艦弾道ミサイル(ASBM)」や「A2AD」。中国軍の目的、戦略及び切り札とも言われていますが果たしてその実態とは?

 

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中国軍、特に海軍と空軍の発展と軍拡が著しい昨今ですが、もう一つ大きな脅威となる部隊がいます。それが「第二砲兵」という名の核兵器の専門部隊です。この第二砲兵部隊は中国軍の中でもかなり厚遇された戦略ミサイル部隊であり、その創設は1950年代です。しかし、存在自体が公式に認められたのが1980年代に入ってからというのからも分かるように最重要国家機密の扱いでした。そのため、未だに謎が多く、秘密のベールに包まれた組織といえるでしょう。

 

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その第二砲兵部隊は総員14.7万人と日本の陸上自衛隊に匹敵するほどの人員を抱えています。予算も十分配分されており、宇宙における軍事利用の研究や新型核ミサイルの開発に取り組んでいます。その第二砲兵部隊が運用している最新兵器が近頃なにかと知られてきた対艦弾道ミサイル「東風21D(DF-21)」です。東風21Dは東風21という準中距離弾道ミサイルの派生型であり、主に米空母を狙った新型兵器です。

この対艦弾道ミサイルという種類はなじみがありませんが、これは弾道ミサイルのように一旦打ち上げて再突入させて高速で目標艦船に命中させるミサイルです。巡航ミサイルなどと違って、突入してくる最終速度はマッハ10を超えるため、迎撃は非常に困難です。現時点の迎撃手段はイージス艦によるSM3によるミサイル防衛ぐらいしかありません。さらに、高高度から高速で再突入してくるため、通常の対艦ミサイルとは比べものにならない運動エネルギーを持っています。命中した場合のその破壊力は計り知れないでしょう。いかに巨大な空母をいえでも、まともに命中したら四散、轟沈はまず免れません。

 

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しかし、それはあくまで「命中」した場合です。この対艦弾道ミサイルは破壊力は他のミサイルより圧倒的に勝りますが、超高速で再突入した際に目標に対して正確に誘導するのが至難の業です。マッハ10で突入するものを空母といえども、はるか上空からでは小さな目標に当てるのは非常に困難です。しかも航行中の艦艇ですから、その誤差も計算して精密に誘導する必要があります。

 

誘導には人工衛星を使うようですが、それでも正確に目標に命中できるかは甚だ疑問です。アメリカの国防総省の見解では最大射程は約3000km、2009年には既に試験配備状態に入ったとのことです。そして、今年の1月12日には中国は発射試験の様子を収めた写真を公開しました。この試験では最終突入段階おける誘導実験も行った模様で、作戦能力をある程度獲得したことがうかがえます。もちろん、この意図的な公表には自国のミサイル能力を内外に示して、力を誇示する狙いがあったのは間違いないでしょう。

 

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さて、なぜ中国はこの対艦弾道ミサイルの開発・配備にこだわるのでしょうか。それは中国軍、特に海軍の戦略が大きく関わっています。中国海軍は「中国海軍近代化の父」とも言われる劉華清が鄧小平の信頼の下で軍拡と新たな海洋戦略の策定を行いました。この戦略がいわゆる「第一列島線」と「第二列島線」の確保です。この戦略は「八五戦略」と呼ばれ、現在の中国海軍の目標になっています。

 

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九州から沖縄、台湾、そして南シナ海まで伸びる第一列島線、横須賀から小笠原諸島、そしてパプアニューギニアまで伸びる第二列島線の内側において中国海軍の優勢を確立するのが狙いです。列島線より内側を「中国の海」として米海軍を寄せ付けない、これが彼らの目的です。自国の安全を確保するためには「中国の海」における米海軍の行動能力を排除して、安全保障の目的を達成しようという算段です。

 

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この戦略は接近阻止、領域拒否、いわゆるA2AD戦略と呼ばれています(Anti-Access、Area-Denial)。米海軍の接近を阻止して、「自分の海域」における作戦行動をさせない。そのための切り札として対艦弾道ミサイル:東風21Dの開発と配備に力を注いでいるのです。仮に上記のように命中精度に疑問があってもその存在だけで米海軍に対して一定の脅威となりうるわけです。さらに、核弾頭を搭載すれば多少の命中誤差があっても艦隊を壊滅されるには十分効果的と見られており、その脅威は無視できないでしょう。

 

画像引用元:http://www.sinaimg.cn/dy/slidenews

http://slide.mil.news.sina.com.cn

 

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