東南アジア諸国に自衛隊の中古装備品を無償譲渡・供与!対中牽制?

5月26日、改正自衛隊法が参議院で可決され、自衛隊の中古装備品を他国に無償供与できるようになりました。東南アジア諸国に中古の各種装備を譲渡し、哨戒監視能力や防衛力の強化を図ります。これによって、南シナ海で攻勢を強める中国を牽制する狙いがあります。

日本の安全保障上の脅威といえば中国の軍拡と海洋進出でしょう。温度差はあれど、東南アジア諸国も中国の台頭を脅威に感じています。特に南シナ海は中国が人工島を築き、兵器を配備している点では東シナ海よりも事態は悪化しています。東南アジア諸国( ASEAN)は中国の軍事力と比較すれば、圧倒的に劣勢です。質量ともに中国海空軍及び海洋警察の戦力に劣り、守勢に立たされています。むろん、東南アジアも一枚岩ではなく、内陸部のラオスやカンボジアは中国寄りです。しかし、ベトナムとフィリピンは攻勢の最前線に立っており、脅威認識は高いです。

しかし、フィリピンやベトナムは軍事力、警備力では中国に劣り、哨戒監視能力も不十分です。昨今の情勢を受けて、両国は外国からの武器購入を進めており、戦力の整備を図っています。日本も例外ではなく、ベトナムには新造巡視船を供与する予定です。そして、フィリピンには海上自衛隊のTC-90練習機を貸与しています。しかし、海上保安庁ではなく自衛隊の中古装備品を無償で譲渡することは法律的にできませんでした。

財政法では国の持つ財産を無償で供与してはならないという原則があります。ですが、今回の法改正で自衛隊の装備品を例外とすることで可能になります。今後は海上保安庁の中古巡視船に加えて自衛隊の装備品も供与されます。中国と比べると東南アジア諸国は軍事力では根本的に劣勢です。しかし、南シナ海の情勢を鑑みれば、特に警戒監視能力が大きく欠けていると言えるでしょう。そのため、まずは領海警備や哨戒のための装備品を譲渡することが予想されます。

 

いずれは退役した護衛艦も?

 

具体的には、既に国産のP-1哨戒機に代替わりが進められているP-3C哨戒機が候補の筆頭に挙げられます。そして、いずれは哨戒ヘリや退役した護衛艦の譲渡も視野に入れるでしょう。しかし、今まで扱ったことのない高性能な装備をいきなり渡しても無理があります。適正に運用できるようにするためにも、今後は留学や研修という形で日本で要員の訓練が行われたり、こちらの隊員が指導官として出向くこともあり得ます。実際に、こうした動きを進めていることは中国を牽制する上で有効と言えます。東南アジア諸国の警備力や監視能力を向上させることで中国の南シナ海における覇権確立を容易ならざる状況にします。それだけ、太平洋や東シナ海、日本海に投入する戦力や労力が割かれます。

 

さらに、日本の自衛隊が直接南シナ海に出向くよりは「緊張激化」という意味ではマシでしょう。中国から見れば、当事者ではない日本が直接南シナ海に介入することは尖閣問題に加えて一気に緊張関係を沸騰させるでしょう。そのため、あくまで当事者たる東南アジア諸国をハードとソフトの両面で支援するのは適切でしょう。露骨に対決を煽っていると北京政府から見られないように注意しながらも、ベトナムやフィリピンの警備能力を向上させるべきです。これは日本の利害に適っていると考えます。

 

画像引用元:www.mod.go.jp/msdf/(海上自衛隊HP)

 

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