日米韓同盟!?軍事演習?東アジア安全保障で協力の意義とは?

先日、在日アメリカ総領事館主催で東アジアにおける安全保障についてのシンポジウムが行われました。小生はこの分野ではまだまだ未熟者でありながら、専門家の意見に触れる絶好の機会と捉え、参加してきました。シンポジウムの名は「東アジアの安全保障と日米間協力の意義」

 

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シンポジウムでは司会進行担当のパシフィック・フォーラムCSISエグゼクティブ・ディレクターであるブラッド・グロッサーマン氏を中心に各パネリストがそれぞれの考えを発表した。パネリストは日米韓からそれぞれの国を代表して計三人でディスカッションを展開した。パネリストは以下、

  • ジョセフ・ファーガソン氏 (LMIガバメント・コンサルティング上級顧問)・・・アメリカ
  • 崔 剛(チェ・カン)氏 (アサン政策研究所副所長)・・・韓国
  • 道下 徳成 氏 (政策研究大学院大学教授)・・・日本

 

それぞれの国の立場、考えをまとめると・・・

○アメリカ

日本と韓国は共にアメリカの重要かつ大切な同盟国であり、両者は民主主義、人権、自由など多くの価値観を共有する。そのため、両国はまだ未開拓の安全保障分野での協力において計り知れない潜在的可能性を持っている。アメリカとしては今まで通りアジア太平洋地域の平和と安定にコミット(関与)していくが、同時に各同盟国にももっとコミットしてほしい。日本や韓国にはアメリカと協力して今まで以上に地域の平和と安定に積極的に関与・役割を担ってほしい。

日本と韓国は歴史問題や領土問題などで対立はあれど、安全保障面では共通の脅威に晒されており、具体的には3つの安全保障上の問題を共有する。

  • 目下最大の脅威として北朝鮮問題
  • 長期的に見て脅威となりうる中国の台頭
  • 海上安保、海賊対策、エネルギー、貿易の問題

アメリカとしては日韓の間に深刻な問題はあるのは認識しているが、両国の安全保障のためにも協力関係を築き、アメリカと共に日頃は災害対策、対海賊作戦、航行の自由などの諸問題、有事の際は朝鮮半島問題などで三国で一致して取り組みたい。

さらに、中国の台頭に関しては日米韓が互いに協力して連携することで中国の秩序を乱すような行為を牽制、国際ルールを遵守させるように導くことを期待する。将来的には中国も東アジアの安全保障協力関係に参加させて、責任ある国際社会の一員として自覚させる狙いがある。しかし、そのためにはまずは日米韓が連携協力することが大切かつ急務であるとのこと。

 

 

○韓国

韓国としては中国の台頭はもちろん懸念しており、近頃日本で言われているように「中国にすり寄っている」わけではないとのこと。韓国国民も地域における中国の台頭には敏感に反応しており、「10年後に韓国の安全保障にとっての最大の脅威は?」という2012年の統計調査では中国が北朝鮮を抜いて1位となった。ちなみに現在は1位北朝鮮、2位がなぜか日本、そして3位は中国とのこと。日本が2位というのは解せないが、少なくとも韓国の国民は膨張する中国がいずれ韓国にとって最大の脅威となることは認識しているようだ。

韓国としては中国は日本、アメリカ、韓国が持つ思想とは異なるものに基づいた地域の安全保障体制や世界を追求しているように思える。つまり、中国は今まで日米韓が思い描いてきて、実現させようとしている地域の安全保障体制;アメリカを中心に自由と民主主義を基調とする同盟諸国が地域の安定と繁栄に寄与とは別の、独自の夢を実現させようとしている。それは中国を中心とした安全保障体制である。

しかし、韓国としては政治・安全保障面ではアメリカ、経済面では中国に頼っているため、この世界の2強としっかりとした関係を結ぶことによって安定を確保したい狙いがあるようだ。常に大国に裂かれてきた半島国家の編み出した策といえよう。そのため、この安定確保の行動が日本側には「中国にすり寄っている」という風に見られるらしい。韓国は対中輸出がGDPの約15%も占めるためから対中配慮するのも分からないでもないか・・・ちなみに日本はわずか3%弱とのこと。

肝心の日米韓連携に関しては北朝鮮問題などから韓国は一応協力には前向きな意向。韓国は日本とは歴史問題などで揉めているが、客観的に見れば人道支援(PKO ・災害派遣)、海上航行自由の確保(海賊対策)などで協力できる分野は多く今後はそういう方面から関係を強化できると主張した。ただし、国内感情に配慮すれば、日韓安保協力はすぐには難しいとも述べた。

 

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○日本

日本は現在安全保障面で3つの政策を進めており、それは

  1. 防衛能力の強化⇒今ある能力を効率的に使う
  2.   ・国家安全保障戦略                              ・武器の共同開発                                ・集団的自衛権
  3. 日米同盟の強化⇒防衛ガイドラインの見直し
  4. 地域におけるパートナーシップの強化⇒オーストラリア、インド、東南アジア諸国、韓国

 

過去10年における各国の国防費はアメリカが1位で12%、中国は2位で170%、日本は8位で-0.2%。しかし1位のアメリカもイラクやアフガニスタンにおける戦闘のための戦費が増大した結果であって全体的な戦力は膨張していない。対する中国は確実に軍備を拡大・増強させている。アメリカは国防費の削減も決まっており、日本も国防費を大幅には上げられないため、インド、オーストラリア、東南アジア諸国、韓国などの国々と協力しようという方針。しかも、これらの国々は同調査ではそれぞれ国防費を大幅に増やしている。日米だけでは心許ないので周辺諸国の中で同じような普遍的価値観を持つ国々との連携を深める策です。

 

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その国々の中には韓国も上記のように含まれていますが、日米韓の安保協力は短期的には実現は難しいとの見解を示しました。主な理由は、

  • 日韓関係が悪化していること
  • 日米は北朝鮮問題を中心とした韓半島よりは中国の東シナ海、台湾海峡、南シナ海における動向の方により関心があること。
  • 北朝鮮が小型した核弾頭を保有した可能性があり、日本は朝鮮有事の際に東京を犠牲にしてまでソウルは助けないこと。国民感情を以て考えても同様である。

しかし、長期的には日韓が時間をかけて打ち解けることによって、日本が国内の安全保障体制を整備することによって日米韓の3ヵ国による安全保障協力は可能であるとのこと。さらに、東アジアにおいて、日韓両国は貴重な民主主義、自由主義国家であり、経済的にも影響力が強く、協力は両者と地域全体にプラスに働いてもマイナスには働かない。

 

さて、以上のように日米韓を代表する専門家の考えを見てきましたが、個人的には日本は韓国とは安全保障面では協力できうる関係だとは思います。しかし、日韓関係は感情的な部分が目立ち、このような不安定な関係基盤のままでは安保協力が実現したとしても不安ですね。日米韓同盟ははっきり言って無理でしょう。

しかし、日韓は深くない程度の安保協力はできると思います。救難活動、災害派遣、人道支援、海上保安などの面では十分に協力して双方の国益に繋がるようなことは可能でしょう。具体的な軍事協力に関しては北朝鮮関連の情報共有、物資融通などの後方支援が限界ではないかと思われます。日本としては北朝鮮問題は拉致問題を除いては中国の脅威に比べるとどうしても優先度が劣ります。このあたりも互いの最重要関心の違いなどから深い安保協力は難しいと思います。

 

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現在、日米韓は合同軍事演習なども実施していますが、やはり日韓間の真の協調は難しいようです。日本としては韓国に安保協力を呼びかけ、窓を開けて待っておき、現段階で協力に意欲的な他の国々との連携をどんどん進めるべきでしょう。日米同盟を強化しながら、無理のない範囲で防衛予算を増やし、防衛力を増強してなるべく自主防衛に近づく。同時に意欲的な周辺諸国との連携協力関係を構築する。これが今の日本にとっての最前の道ではないでしょうか。

 

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