宇宙安保戦略で日米連携!日本の動向,予算,技術は?

日本政府が国家安全保障宇宙戦略を策定して宇宙における安全保障に本格的に関与していく姿勢を鮮明にしました。宇宙関連の技術において高い技術を有する日本とアメリカで連携して中国を牽制する模様です。

 

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安全保障といえば陸海空がすぐに出てきますが、最近はサイバー空間と宇宙空間も重視されています。この領域では未だ明確かつ拘束的なルールや概念の存在が薄いため、秩序の策定などの問題がクローズアップされています。

 

その中で宇宙という領域は人類が割と活発に活動している空間であり、それなりのルールも存在します。しかし、近年は宇宙における競争が再び熾烈になってきており、各国とも宇宙空間を重要な活動領域として認識しています。宇宙を観測利用、通信確保や新たなエネルギーの獲得の場として経済的な価値を見出す一方、安全保障の観点でも再び注目されています。

 

かつて米ソ冷戦時代には宇宙は競争の場でした。どちらがより早く宇宙に進出して、人工衛星を運用するかなどで争っていました。これらは国家の威信という面ではもちろんのこと、軍事的にも大事な意味合いを含んでいました。人工衛星を上げて相手国のミサイルなどの運搬・発射の動向を監視する、より確実な測定網、通信網を衛星を介して構築する、挙句の果てには敵のミサイルを人工衛星で迎撃するなどといった意図で宇宙開発は進められてきました。

 

冷戦以後は原則的には「宇宙の平和利用」が謳われてきました。しかし、多くの方がご存知のようにミサイル防衛などにおいては早期警戒衛星や情報収集衛星の存在・利用が必須であり、宇宙からの偵察・監視という任務は未だに重要な役割なのです。むしろ、21世紀に入って宇宙空間を利用した軍事活動は増したと言えるでしょう。

 

アメリカの早期警戒衛星

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中東などで軍事力を展開するアメリカ軍は通信はもちろんのこと、誘導兵器や無人機の運用には人工衛星を使用しています。今や、誘導兵器は戦場の主役であり、その運用は宇宙における衛星の存在なくしては成り立ちません。誘導兵器、無人機によるピンポイント攻撃、敵の位置・動向の測定、現地の地形観測などは人工衛星の運用が前提としてあります。こうしてみると現在の作戦遂行能力は宇宙空間の軍事利用に大きく依存しています。

 

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これは何も世界中で兵力を展開するアメリカに限ったことではありません。日本の安全保障にとっても宇宙の安全保障戦略は死活問題なのです。一番身近な例は北朝鮮のミサイルに対する監視能力でしょう。これも北朝鮮国内のミサイル基地を監視してその発射の兆候を掴まなければなりません。このためには宇宙の衛星からの情報収集と監視が不可欠です。日本は現在、優秀な情報収集衛星を保有しており、この能力をさらに強化、そして他国と連携して情報共有する必要があるでしょう。

 

こうした中、今回、政府は人工衛星からの監視について宇宙分野での先進国たるアメリカと連携協力する方針を打ち出しました。日米はすでにサイバー空間における連携にも合意しており、従来の陸海空とは違う新たな領域における日米連携が促進されます。日本政府としては宇宙安全保障戦略として不審な軍事衛星(おそらく中国軍のもの)や海洋進出著しい中国海軍に対する宇宙からの監視強化などについてアメリカと協力して中国側を牽制する狙いです。

 

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中国軍は数年前に地上から発射したミサイルによって宇宙空間における自国の老朽化した衛星の破壊に成功しており、日米ともこの能力に警戒しています。さらに、中国軍の衛星から日米の衛星に対してレーザー照射を敢行して機能不全を起こさせる可能性もあります。有事の際に日米の軍事衛星や商業衛星が中国側によって破壊・使用不能にされる恐れがあります。こうした中国の不審な衛星などを平時から監視する能力を日米で連携して強化していこうというものです。

もちろん、宇宙空間における状況監視には昨今問題になりつつある、宇宙ゴミの探知を行って情報の相互共有をすることによって被害を未然に防ぐという意図もあるでしょう。

 

宇宙ゴミの数

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一方の海洋監視については衛星から太平洋などの海面状況を監視することによって活動が活発な中国海軍の艦艇の動向や潜水艦の位置などを特定、追跡する狙いがあります。日本やアメリカの衛星が撮影した画像などの情報を共有して日米間の協力体制を構築する見込みです。このことは年末に予定されている日米防衛協力ガイドラインに盛り込む見通しで、将来的にはオーストラリアなどの友好国にも連携の範囲を広げるようです。

 

日本もようやく宇宙の安全保障戦略に取り組み始めたという感じですが、高い技術力を生かすにはやはり十分な予算の投下が必要でしょう。現状は非常に苦しい台所事情で、2012年度の宇宙関連予算は2980億円と他国に比べてかなり少ないです。十分な性能を発揮する情報収集衛星の開発などにはもっと予算をしっかりつけることが重要でしょう。方針を打ち出し、宇宙安保に関与する姿勢を示したことは評価できますが、具体的な行動が今後必要です。

 

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画像引用元:http://www.nikkei.com/

http://www.jaxa.jp/

 

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