[在日米軍]そもそもなぜ駐留?戦力,人数,不沈空母,理由,目的?

日本にはアメリカ軍の各部隊(陸海空及び海兵隊)が駐留しており、日米安全保障体制の中核を担っています。在日米軍は日本の安全保障政策にとって欠かせない存在であると同時に、基地問題などの「係争」を生んでいる事実もあります。では、そもそもなぜアメリカ軍は日本に駐留しているのでしょうか?

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在日米軍の由来

まず、在日米軍がやってきた経緯ですが、これは1945年の敗戦まで遡ります。第二次世界大戦に敗れた日本はアメリカを中心とする連合国に占領されました。この時、占領軍のほとんどをアメリカ軍が占め、全国各地に多数の基地を持っていました(他にもイギリス軍やオーストラリア軍が一部駐留)。その後、1951年のサンフランシスコ講和条約を受けて沖縄以外の日本は占領下から独立します。しかし、同日に締結された日米安全保障条約によってアメリカ軍が引き続き日本に駐留することになったため、占領軍は在日アメリカ軍へと看板を変えます。以来、基地数や面積の大幅縮小はあったものの、占領軍を原点とする在日米軍は今日に至るまで日本に駐留しています。

 

在日米軍の人数・戦力

 

さて、次は在日米軍の規模についてです。現在、日本には約5万人人のアメリカ軍将兵と4万近い家族がいます。これは一国に展開している米軍の規模としては世界一であり、この地域を重視している表れでしょう。ただ、ひとくちに在日米軍と言っても、その構成は細かく分かれています。まず、陸軍、海軍、空軍そして海兵隊の四軍から成っています(沿岸警備隊も少数配備)。

在日米軍の構成

空軍(人員:約12,500人)

まず、日本に展開する空軍は第5空軍の各部隊であり、司令部は神奈川県の横田基地にあります。そして、在日米軍全体の司令部も同じ横田基地内にあり、司令官は代々第5空軍司令官が兼任します。空軍は横田、三沢、嘉手納基地などに部隊が駐留しており、航空戦力は極東屈指のものです。三沢のF-16戦闘機、嘉手納のF-15戦闘機部隊を合わせると、総勢90機以上の戦闘機が在日米空軍の要を担っています。

その他にも、現代航空戦に欠かせない空中給油機や早期警戒管制機も配備されており、第5空軍だけで一国の空軍力に匹敵します。ちなみに、司令部のある横田基地には主に輸送機が配備されていますが、朝鮮戦争のために編成された国連軍後方司令部が今も存在します。とはいえ、常勤職員は4人のみで、あとは駐在武官が定期的に会合を開く程度です。しかし、朝鮮有事の際には横田基地が国連軍の後方司令部として機能するのは事実です。そして、横田の第5空軍司令部のすぐ隣には航空自衛隊の戦闘機部隊などを統括する航空総隊の司令部があります。これは米軍との緊密な連携を目指したもので、まさに日米の一体化を象徴するものです。

 

海軍(人員:約6,000人+13,000人)

海軍は主に横須賀と佐世保を拠点としており、世界最強と評される第7艦隊が展開しています。第7艦隊のうち、空母や駆逐艦などを中心とする戦闘部隊は横須賀を、水陸両用作戦の中核を担う強襲揚陸艦や掃海艇などは佐世保を事実上の母港としています。在日米海軍の司令部は横須賀基地にあり、海上自衛隊の基地に隣接しています。

第7艦隊について詳しくはこちら↓↓↓

世界最強のアメリカ海軍第7艦隊とは?

 

 

陸軍(人員:約2,000人)

陸軍は他の部隊と比べると規模は小さく、人員も2,000人ほどです。神奈川県の座間市に第1軍団の司令部がありますが、実戦部隊はほとんど配備されておらず、他には沖縄県に特殊部隊や情報部隊がいるのみです。有事の際には、本土から来援した実戦部隊が司令部の傘下に入って展開するようです。そのため、現在はプレゼンスとして司令部と人員を置いているだけといったところでしょう。

 

海兵隊(人員:約18,000人)

在日米海兵隊は人員が多く、1万8千人近くが日本に配備されています。主に第3海兵遠征軍という実戦部隊と基地部隊の二つから成り、ほとんどが沖縄県に配備されています。ただし、第3海兵遠征軍の中核を担う第3海兵師団はローテーション部隊であるため、常に沖縄に駐留しているわけではありません。それでも、人数の面では一番多く、基地問題でも海兵隊の基地が争点として扱われています。

 

在日米軍の目的・理由とは?

では、そもそも在日米軍の目的って何でしょうか?一つは、日本の安全保障の一翼を担うことです。日米安全保障条約でも明記されているように、アメリカ軍は日本の施政下にある領域が武力攻撃された場合、これに対処します。しかし、それ以外にも理由があります。

まず、日米同盟は「戦略同盟」です。日本のみならず、極東全体の秩序を守ることを前提とした同盟なのです。これは日米安全保障条約第6条に

日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、

と書かれているように日本だけを視野に入れたものではありません。そのため、在日米軍は日本の防衛だけではなく、極東全体の防衛のために駐留しています。

分かりやすくするために、米韓同盟と比較しましょう。2万8千人の在韓米軍が韓国に駐留していますが、これは韓国の防衛だけを前提としたものです。なぜなら、米韓同盟は「地域同盟」であり、適用範囲は朝鮮半島です。しかし、日米同盟は戦略同盟なので適用範囲は日本の領域を超えて、朝鮮半島や台湾をも適用範囲とします。具体的には、在日米軍は日本を拠点としながら、アジア太平洋各地に出撃します。つまり、日本は防衛対象であると同時に、重要な後方支援・出撃拠点なのです。そのため、日本にはこれほどの戦力が駐留しており、「不沈空母」と呼ばれる所以です。簡潔に言えば、在韓米軍は韓国を最前線基地として使用していますが、在日米軍は日本を極東全体を防衛するための巨大なプラットフォームとして使用しています。

 

 

さらに、「前方展開」の役割があります。これは前述の不沈空母の説明と被りますが、米軍を日本に配備することで紛争を予防しています。例えば、中国やロシアが日本への侵攻を企てたとしましょう。その場合、実際に日本を攻撃した時に自衛隊だけではなく、日本にいるアメリカ軍にも被害が出ます。そうなれば、アメリカが自動的に参戦してくるのは目に見えています。なぜなら、自国の将兵も攻撃されたからです。

このように、敵による侵攻が予想される場所にあえて部隊を置くことで、アメリカの参戦を保証して容易に攻撃できないようにします。「トリップワイヤー」と呼ばれるこの役割はソ連軍に包囲された西ベルリンでも有効でした。日本だけならともかく、在日米軍も巻き込み、アメリカの参戦が見えている状況では敵も普通は躊躇します。

 

この他にも日本を抑え込む役割が考えられます。現在では可能性が低いですが、冷戦期は日本が経済力を背景に強大な軍事力を持つ懸念がアメリカにもありました。そのため、アメリカが在日米軍を配備して日本の安全保障を約束し、自前の軍事力を必要以上に強化する理由を摘みます。そして、日本に米軍がいる状況では、仮に軍拡の道を歩んだとしてもすぐに止められます。いわば、在日米軍は「瓶の蓋」という役割を持っていました。これは疑念を抱く中国や韓国を安心させる上でも有効でしたが、アメリカが日本にもっと積極的な役割を担ってほしい現在は意味合いが薄れました。

 

画像引用元:www.mod.go.jp/ (防衛省HP)

 

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