[国際関係]同盟とは何か?同盟国,意味,種類,連合,組む,日本?

日本の外交・安全保障の基軸である「日米同盟」。もはや聞き慣れた言葉ですが、そもそも同盟とは何か考えたことありますか?アメリカは日本の同盟国ですが、それが何を意味するのかじっくり考えたことありますか?今回は国際関係における同盟や同盟国について説明し、その意味や種類について考えていきます。

そもそも同盟・同盟国とは?

ある外的脅威に対して共同して対処する公式な取り決めを同盟と呼びます。分かりやすく言うと、共通の敵を見据えて2つ以上の国や勢力が正式に手を結ぶことです。これは集団防衛という概念に基づいており、近年話題になっている集団的自衛権を法的根拠としています(詳細は後ほど)。

同盟があると敵対勢力は片方を攻撃すれば、もう片方が参戦するリスクがあるため、侵略を躊躇します。このように、相手に行動を思いとどまらせることを抑止と言います。同盟は相手を抑止するのが主な目的であり、それでも敵が侵攻してきた場合は共同で防衛します。

利害が一致する国同士であれば、自国のみで安全保障を確保するよりも同盟を結んだ方が得策なことが多いです。まず、自国だけで軍事力を強化して対抗するよりは共同で対処した方がコストが低くなります。さらに、相手に2国以上の潜在敵国がいると認識させることによって、平時から外交面で心理的圧力を与えられます。

しかし、同盟もメリットだらけではありません。

同盟のジレンマ

同盟は確かにコストが低くなるなどのメリットがあります。しかし、その代わり同盟国と歩調を合わせなければなりません。同盟を結んだ以上は自国だけで完全に好き勝手な行動はできません。同盟を存続させるためにある程度組んだ相手と行動を合わせる必要があります。歩調が乱れれば、敵国に同盟が弱まっていると思われ、つけこむ隙を与えてしまいます。そのため、同盟には一定の自制と束縛が付き物です。

さらに、同盟には二つの不安が常に存在します。一つは、「見捨てられる不安です。これは、主に軍事力が国力の弱い方が有事の際に同盟国に見捨てられることを恐れることです。日本が良い例でしょう。日本はアメリカと同盟を組んでいますが、国力や軍事力、脅威との地理的距離では立場が不利です。そのため、いざという時に本当にアメリカが助けに来てくれるだろうかという疑念や不安が常にあります。

もう一つは、「巻き込まれる」不安です。これは同盟国を助けることで自国が意図しない戦争に巻き込まれることへの恐怖です。例えば、アメリカは現在、日米同盟によって日中の戦争に巻き込まれることを不安に思っています。日本でもアメリカの始めた戦争に日本が巻き込まれるのではないかという論調がありますよね。

この二つの不安は実は解消が難しいのです。というのも、相手の見捨てられる不安を解消するために協力を深化させれば、巻き込まれる可能性が高くなります。でも、巻き込まれたくないから自分のみで対処する姿勢を高めれば、相手の見捨てられる不安が増長します。このように、どちらか一方の不安を解消しようとすれば、もう片方の不安を増長させてしまいます。これを同盟のジレンマと呼びます。

 

同盟の意味と種類

では、同盟の意味とは何でしょうか?

 

まず、既に述べたように同盟を組むことで敵を抑止します。これは紛争を未然に防いでいると考えることができます。しかし、もう少し大局的に見てみましょう。

現在の世界秩序は集団安全保障という体制の下で維持されています、名目上は。原則として全ての主権国家は国際連合(国連)に加盟します。そして、ある国が別の国を攻撃した場合は他の国連加盟国全員で侵略者に制裁を加えます。つまり、ここで想定されている敵は同じ国連加盟国であり、いわば「身内」です。ここが外部勢力を敵とする同盟とは大きく異なる点です。この集団安全保障が機能した例は、1991年の湾岸戦争です。クウェートを侵略したイラクに対して国連は安保理決議を出して、これに基づいて多国籍軍が撃退しました。

しかし、残念ながらこの集団安全保障体制はほとんど機能していません。なぜなら、機能するためには国連安全保障理事会の決議が必要だからです。拒否権を持つ五大国が拒否する可能性もありますが、そもそも安保理決議を出すのにも時間がかかります。

そこで、安保理決議がまとまって国連軍が派遣されるまでの時間稼ぎとして自衛権の行使が許されているのです。自衛権には個別的自衛権と集団的自衛権の二つがありますが、同盟は後者に基づいています。同盟を組んで集団的自衛権を行使することで国連制裁が機能するまで時間を稼ぐのです。これが現代における同盟の国際法的な意義でしょう。

国連安保理は時間がかかる・・・

では、同盟の種類について。まず、よくある疑問として同盟と連合の違いです。同盟は複数の国や勢力・組織や組むものであり、独立した並列関係になります。しかし、連合は組織を一元化して統一します。日米同盟は日本とアメリカのそれぞれの国や政府、官僚機構、軍隊で成り立ちますが、国際連合は一つの機構に一本化されています。

同盟はその構成によって種類を分けることができます。例えば、英仏同盟のように比較的同じ強さの国同士の同盟をバランス型と呼べます。これは、共通の強敵に対して共同してバランスを取るという性質のものです。しかし、日米同盟のように同盟国間で強さが異なるタイプもあります。これは弱い方が安全保障を確保するために圧倒的に強い国に乗っかるという意味でバンドワゴン型と呼ばれます。もちろん、日本も同盟国としての責務(防衛力の拡大や基地の提供)を果たしているので「タダ乗り」とは異なりますが、強いアメリカに乗っかっている側面ではバンドワゴン型でしょう。

他にも、深化の程度によって種類分けできます。例えば、いざという時の詳しい取り決めはないけど、手を結んでいる「ゆるい」同盟もあるでしょう。こうした同盟は外交面での抑止を重視しており、コロコロ変わる場合があります。反対に、協力関係を深めた結果、制度化された同盟もあります。NATO(北大西洋条約機構)がこの例であり、共通のルール、協議制度、官僚機構、有事の際の詳しいガイドラインなどがあります。日米同盟も高度に制度化された同盟へと徐々にシフトしています。

さらに、同盟とまでは言えない関係もあります。最初に述べたように同盟は国家間の公式な取り決めです。そのため、大抵はきちんとした条約が結ばれて世界に宣言されています。しかし、条約はないものの、事実上の準同盟的な関係も存在します。これらは協定や共同宣言、軍隊同士の交流・訓練の積み重ねによって関係を既成事実化しています。例えば、日本の同盟国は公式にはアメリカだけです。しかし、オーストラリアとは安全保障協力関係にあり、定期的な訓練も行っています。もはや、準同盟国であることは周知の事実です。

 

画像引用元:www.un.org/en/index.html(国連HP)

 

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