[南シナ海問題]米海軍駆逐艦ラッセンが中国の人工島付近を航行!反応?

アメリカは「航行の自由を守る作戦」として南シナ海において中国が領有権を主張する人工島の付近に米海軍のイージス駆逐艦「ラッセン」を派遣したことを明らかにしました。中国側が「領海」だと主張する12海里以内を航行して中国の主張を真っ向から否定した形となりました。今回の件でいよいよ米中が南シナ海で本格的に対峙する構図となりました。

 

091117-N-1644H-327 PACIFIC OCEAN (Nov. 17, 2009) The guided-missile destroyer USS Lassen (DDG 82) is underway in the Pacific Ocean. Ships from the U.S. Navy and Japan Maritime Self-Defense Force are participating in Annual Exercise (ANNUALEX 21G), a bilateral exercise designed to enhance the capabilities of both naval forces. (U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 1st Class John M. Hageman/Released)

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アメリカ国防総省は南シナ海の南沙諸島で中国が領有権を強硬に主張する人工島の12海里以内(22km)を米海軍の駆逐艦「ラッセン(USS Lassen)」が航行したことを公表しました。おそらく、駆逐艦の周辺には米海軍の原子力潜水艦も同行しており、哨戒機も飛行していたことでしょう。今回実施された米海軍艦艇による航行は「航行の自由作戦(Freedom of Navigation Operation」、通称FONOPです。FONOPは埋め立てによって南シナ海の環礁を軍事基地化させつつある中国に対してその行為を真っ向から否定するための作戦です。

国連海洋条約では島から12海里以内をその国の領海として認めていますが、島として認定されるには自然に形成されたもので、満潮時に海面より上に陸地が出ている必要があります。しかし、中国が領有権を主張している南シナ海の人工島は「島」ではなく、「岩礁」としてみなされます。そのため、領海や排他的経済水域は発生せず、周辺海域は公海となります。

ここ数年間、南シナ海は中国が1947年に作成された地図の「九段線」を根拠に実効支配を強化・拡張しており、戦闘機の離発着が可能な3000m級の滑走路を備えた人工島が作り出されています。こうした滑走路はすでに3つも建設されているとのことで、南シナ海全体が中国の不沈空母となりつつあります。今回のFONOPでアメリカは中国側が主張する「領海」の存在を12海里以内に入って航行することで認知していないということを世界中に発信しました。

 

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シンクタンクCSISより

 

今回派遣された駆逐艦「ラッセン」は横須賀に配備されている第7艦隊の1隻であり、数時間にわたってパトロールを実施したとのことです。米軍の艦艇が岩礁の12海里以内に入るのは2012年以来ですが、急激な埋め立てによって滑走路や軍事施設が作られた後としては初めての航行でした。オバマ政権はこのFONOPに関して中国への刺激を恐れて慎重な姿勢をとり続けましたが、止まぬ一方的な埋め立てと先月の米中首脳会談での進展のなさに今月上旬に作戦を許可しました。

もちろん中国側は今回の件に関して猛反発しており、駆逐艦「ラッセン」を監視・追尾するために駆逐艦とフリゲイト艦をそれぞれ1隻ずつ派遣していたとのことです。米海軍は今後もFONOPを最大数ヶ月にわたって継続させていく方針です。中国側は声明や機関紙の社説では強硬に反発しつつも、実際に米軍を強制排除できる能力はないでしょう。しかし、今後も米中による対峙が予想される中で偶発的な事件・事故の可能性は大いにあります。

 

130711-N-TG831-076 SOLOMON SEA (July 11, 2013) The Arleigh Burke-class guided-missile destroyer USS Lassen (DDG 82) is underway with ships from Commander Task Force 70. Lassen is forward deployed to Yokosuka, Japan and is on patrol in the U.S. 7th Fleet area of responsibility supporting security and stability in the Indo-Asia-Pacific region. (U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 3rd Class Declan Barnes/Released)

米駆逐艦ラッセン

 

中国海軍は実際に海上自衛隊の護衛艦へのレーダー照射を行った事実があるため、こうしたことが米中間でも起きて軍事衝突する懸念もあります。今回もそれを想定してか、シンガポールには原子力空母「セオドア・ルーズベルト」がいつでも駆けつけれるように待機していたとのことです(名目上は訓練途上での寄港)。さらに横須賀に配備されたばかりの原子力空母「ロナルド・レーガン」と第7艦隊の他の艦艇の存在もあるため、中国側にとってはかなりの圧力だったでしょう。

今回のFONOPに関しては日本、フィリピン、オーストラリアなどはアメリカの行動を歓迎・支持しており、今後も地域でのプレゼンスを維持することを期待しています。日本としても南シナ海は膨大な船舶が通る重要なシーレーンであるため、一方的な力による現状変更は許せません。今回の件で逐一米側から連絡が入っていたみたいにアメリカとの連絡・協力を密にして周辺国と共同で対抗していくべきでしょう。

 

画像引用元:

http://www.navy.mil (米海軍HP)

http://csis.org (シンクタンクCSISHP)

 

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