[北朝鮮問題]Jアラートは役に立つのか?有効性,避難,訓練?

先日、北朝鮮が中距離弾道ミサイルを発射し、日本上空を飛び越えて行きました。その際に、北海道から長野県までの地域でJアラートが作動し、緊張が走りました。ただ、ある自治体では作動しなかったり、配信時に混乱が起きたりと、実際の運用における難しさが浮き彫りにもなった模様です。さらに、警報が鳴ってから上空通過まで3〜4分しかなかったことに疑問や批判が起きています。では、Jアラートの有効性とは一体?

Jアラートとは?

最近よく耳にするJアラートとは「全国瞬時警報システム」のことであり、大規模な自然災害や弾道ミサイルの情報を瞬時に国民に伝達するものです。昔で言うところの「空襲警報」であり、これが訓練ではなく、実際に鳴ったというのはそれだけ緊迫した状況なのです。空襲警報が鳴るぐらい安全保障環境が悪化している証なのでしょう。

Jアラートは災害の場合はまず気象庁が察知しますが、今回のような「有事」の時は内閣官房が覚知します。特に、北朝鮮の弾道ミサイル情報は早期警戒衛星を持つアメリカから内閣官房に事前に伝達される手筈になっています。得た情報は消防庁に伝達され、そこから衛星を使って各自治体に連絡します。各自治体は防災無線や有線放送、ラジオで住民に知らせます。この他にも、携帯やスマホにも緊急情報が伝達される仕組みになっています。

今回のように弾道ミサイル発射を受けてJアラートが作動した場合は、頑丈な建物や地下に避難することを指示されます。そして、屋内にいる場合は、窓から離れて頭部を守ります。屋外の場合は、隠れられる場所を探して退避するか、頭部を守るように伏せます。

システムの有効性は?

まず、今回の件を時系列で見てみます。

5:58 北朝鮮がミサイルを発射
6:02 Jアラートが作動
6:05〜6:07 北海道上空550kmを通過
6:12 襟裳岬の沖合1,180kmに着弾
6:24 安倍首相の会見

ミサイルを発射してから3分でJアラートが作動しているので私は警報システムとしては機能していると思います。しかし、到達まで3〜4分しかないこと、田舎には退避できる地下空間がないことに疑問の声が出ています。確かに、3分しかありませんが、その3分で出来ることは十分あります。

3分に限らず、数十秒あれば窓から離れたり、頭部を手や腕で守りながら地面に伏せることができます。ミサイル相手に果たしてそれが役立つのかという批判はありますが、それでもしないよりはマシなのです。死亡するよりは負傷しながらも生き延びた方がいいに決まっています。

そもそもミサイルが飛んでくるのです。そんな状況で人間にできることは限られています。それでも、最低限の対処を施して生存率を少しでも上げることは可能です。そのための数分なのです。

まず、ミサイルが飛んでくる状況で「完全な対処」を求めることに元々無理があります。Jアラートとは国民に事前に知らせて自発的に動いてもらうためのものです。政府が全て対処してくれる万能システムではありませんし、「お上」が全部なんとかしてくれると思うのがそもそもの間違いです。Jアラートは世界的に見ても、比較的「瞬時」に情報を伝達してくれるシステムですが、それによって得た貴重な数分をどう使うは結局はその人次第です。残念ながらもはやそこまでの事態になっているのです。

あえて批判するならば・・・

あえて批判するならば、Jアラートではなく、「日本はこの15〜20年間一体何をしていたのか?」ということです。北朝鮮がミサイルを打ち上げたり、日本列島を飛び越えていくのは今回が初めてではありません。昨今話題のICBMではなく、中距離弾道ミサイルのノドンなどは昔から配備されていますし、日本はずっと射程圏内です。それを今になって騒いでも「なにを今更」という感じが否めません。

そのために、迎撃システムを整備してきましたが、「ピストルの弾をピストルで撃つ」ようなものなので元々100%の命中率なんて無理です。専守防衛の日本は撃たれてからの防衛しかできないので、迎撃にも限界はある上、後手後手になるのは必然です。そんな状況で、「迎撃は憲法違反か?」という不毛な神学論争を続けているようでは防衛体制は根本的に改善しないでしょう。

北朝鮮のミサイルが日本を射程に収め、狙っていることは昔から分かっていたはずです。それなのになぜ地下シェルターの整備を進めなかったのか?「覆水盆に返らず」ですが、貴重な時間を活用できず、国民的な議論もしてこなかったのが痛いですね。私自身を含め、国民全体の「平和ボケ」のツケが現在回ってきているように思えます。

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