[自衛隊]予備自衛官(補)とは?募集,メリット,給料,訓練,試験,階級,倍率,技能?

皆さんは一般人でも自衛官になれる方法があるのをご存知でしょうか?自衛官は現在22.7万人ほどいますが、有事の際は一般人が後方支援にあたる「予備自衛官」という制度があります。もちろん志願制ですが、あまり知られていない制度なので今回紹介します。

自衛隊≒軍隊ですが、軍隊は有事には普段よりも多い人数を動員します。そのため、各国では「予備役(Reserve)」と呼ばれる人や部隊があり、前線に出動した部隊を補完します。日本の自衛隊の場合は主に基地の留守を預かり、国内の治安維持や後方支援を行うなどのバックアップをします。しかし、他国では前線の治安維持活動や実際の戦闘に投入されるケースもあります。

自衛隊には「予備自衛官」制度であり、創設されてから既に60年以上が経ちます。定員は4万7千人ほどですが、実際の登録数は約3万2千人です。予備自衛官は有事の際には招集を受けますが、様々な種類や職種があるので何をするかはそれぞれ異なります。

 

即応予備自衛官

これは元・自衛官にしかなれないタイプなので入隊経歴のない一般人には無縁です。即応予備自衛官は元・自衛官なので一定のノウハウや技量を持っており、自衛隊での生活と訓練にも慣れています。現在は8千人ほどの即応予備自衛官が登録されており、年間30日ほどの訓練を行います。無論、予備自衛官の中でも階級や待遇も最もよく、即戦力として一番期待されています。そのため、有事には第一線部隊の一員として他の現職自衛官と一緒に任務に就きます。東日本大震災では2,200人近い即応予備自衛官が派遣され、現場で救助活動や被災者支援にあたりました。

そもそも自衛官というのは任期制の職が多く、定年も通常より早い傾向にあります。そのため、退職後に新たな職に就く必要があり、自衛隊も就職支援制度を充実させています。しかし、貴重な人材であるOBは退職後も予備自衛官として登録してもらい、予備自衛官制度に理解ある企業への斡旋をしています。

 

予備自衛官補

一般人が予備自衛官を目指す場合はこちらが入門口になります。予備自衛官補は予備自衛官になるための教育訓練を受ける身であり、有事の際は特に役割はありません。いわば一般人と予備自衛官の中間に位置する存在です。予備自衛官補になるには主に二つの方法があります。まずは、一般公募です。これは健康面などで問題がなければ誰でも応募できます。ほとんどの方はこちらから入門することになるでしょう。もう一つが技能公募です。これは何か資格や技能を持っている方が応募できます。例えば、衛生、法務、情報処理、電気、語学などの分野があります。

一般公募と技能公募の最も大きな違いは教育訓練の日数です。

一般公募:3年以内に50日間/10回

技能公募:2年以内に10日間/2回

 

出典:自衛隊岡山地方協力本部より

 

一回の訓練は5日間と定められているため、技能は2回出頭すればいいのです。そのため、同じ訓練内容でも技能は一般と比べて訓練時間が短かったり、少し異なります。しかし、どちらも指定された駐屯地(全国で7箇所)に赴き、泊まり込みで訓練します。主な内容は座学、基礎体力訓練、戦闘訓練、小銃射撃などであり、一般生活では体験できないものばかりです。ちなみに、訓練期間中は衣食住や駐屯地までの交通費に加えて一日あたり7,900円の訓練手当が支給されます。これらの教育訓練を修了すれば、晴れて予備自衛官になります。

さて、予備自衛官補になるための応募についてですが、各地方ごに毎年一般100人、技能20人ほどを募集しています。ただ、これはあくまで目安であり、応募数によってはもっと多くの人数を採用することもあります。自分の住む地方で応募し、春と秋に実施される試験のどちらかを受けます。試験は1日だけで、国数英社理と作文を含む筆記試験(常識、一般教養レベル)、軽い面接、適性検査、身体検査が行われます。ちなみに、技能の場合は筆記試験は小論文のみになります。適性検査は自動車教習所でも受けるような試験であり、性格や判断力、行動力に問題ないかを見ます。応募数は段々下がってきているようですが、それでも3倍近い倍率のようです。応募は募集センターに電話したり、最寄りの地方協力本部を通すのが確実でしょう。詳しくは以下のリンクに載ってあります。

応募に関して↓↓↓

防衛省ホームページ予備自衛官補募集要項

 

予備自衛官

予備自衛官補の教育訓練を終えれば、いよいよ予備自衛官になります。身分は非常勤の自衛隊員(特別職国家公務員)となり、階級に関しては一般公募の方は2等陸士として任用されます。一方、技能公募の場合は3等陸曹〜2等陸佐のどれかに指定されます。また、予備自衛官は46,000人ほどいますが、全員が予備自衛官補から上がった一般人ではありません。元・自衛官も即応予備自衛官ではなく、予備自衛官になることも多いです。

予備自衛官は毎月4,000円の手当が3ヶ月ごとに支給され、訓練に出頭したら日額8,100円の手当が出ます。ただし、3年間の任期の中で毎年5日間の訓練には参加しなければなりません。仕事などで出頭できない場合ももちろん考慮されますが、いくつかある訓練期間のうち、どこかには参加しましょう。訓練日程はほとんど土日を中心に設定されており、どうしても都合がつかない場合は5日間の訓練を2回に分けることも可能です。

 

こちらも訓練内容は主に基礎訓練、座学などであり、予備自衛官補の時とあまり大きな差はないでしょう。面白いものとしては、射撃の腕を競う射撃検定があり、良い成績を収めれば表彰されるそうです。これらは普通の訓練になりますが、防災訓練や特別な招集訓練というものもあります。

まず、防災訓練は各地で行われる地域の防災訓練に予備自衛官として参加し、それぞれの技能を発揮してアシストします。実際に東日本大震災では500人の予備自衛官が派遣され、自衛隊と一緒に救助活動を行う米軍との通訳を担当した者もいたそうです。次に、特別招集訓練についてですが、これは日米合同演習などに参加することが可能な訓練です。昨今の自衛隊は今まで以上に米軍との連携を強めているため、通訳の存在は必須です。そのため、英語に堪能な予備自衛官が日米合同演習で通訳として活躍することを可能にし、円滑な運営を図っています。あくまで特別な訓練招集なので毎回参加できるわけではありませんが、一般では経験できない本当に貴重な体験です。

 

予備自衛官制度の是非

さて、予備自衛官制度には賛否両論あります。制度には毎年80億円ほどが使われていますが、その効果を疑問視する見方も存在します。例えば、東日本大震災では46,000人の予備自衛官のうち出頭した一般人(元・自衛官ではない人たち)は約100人だそうです。さらに、訓練に出頭すれば手当が支給されるため、それ目当ての人がいるのも確かのようです。つまり、小遣い稼ぎ感覚で訓練する大学生などは有事の際にはあてにならないと嘆く声があります。そのため、制度の有効性を疑問視し、廃止を訴える意見があるのも事実です。

確かに80億円あれば他の備品に回すこともできるでしょう。ただ、以前聞いた自衛官から話では自衛隊側もこうした問題点を十分認識しているようです。それでも、一般国民が応募し、予備自衛官として登録している「事実」が大事だそうです。数値上は一定数の一般国民が自ら国防を担う意志があるように見えます。そのため、潜在敵国に対する牽制であったり、アピールにはなるそうです。つまり、「平和ボケ」で国防なんて興味ない国民が多いと思う潜在敵国に対して、日本にはまだまだ自国を守る国民が多数いると思わせることが大切です。「日本をナメるなよ」というメッセージを発するために、制度はある程度有効のようです。

それでも、本来はきちんと自国を守ることの一翼を担い、社会に貢献する意志を持った方になってもらいたいですね。実際に職業としての自衛官になるのを躊躇っても、そうした気概を持つ方にはぜひ興味を持ってほしいものです。

 

画像引用元:www.mod.go.jp/ (防衛省HP)
www.mod.go.jp/pco/okayama/index.html
(岡山地方協力本部HP)

 

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