中国海軍の軍艦が領海侵入! 侵犯との違い,攻撃,撃沈,回数?

7月2日、中国海軍の情報収集艦が津軽海峡を航行して日本の領海に侵入しました。中国海軍による我が国の領海侵入は昨年6月以来3回目であり、国際法的には問題ないとはいえ、気分の良いものではありませんね。さて、領海侵入の目的や領海侵犯との違いとは一体?

中国艦が領海侵入

通常、領海とは海岸から12海里(22.2km)です。しかし、国際的な海峡である津軽海峡は日本政府が自ら3海里に設定しています。これを「特定海峡」と呼び、津軽海峡の他にも宗谷、東西対馬、大隅の5つが該当します。なぜこのような形をとっているかというと、核兵器を搭載した米艦が領海に入らずに航行できるようにするためという説が有力です。その他にも、理由があると言われていますが、後ほど説明します。

さて、この津軽海峡は日本海から太平洋へ出るための重要な出入口であるため、近年は中国艦の出没が目立ちます。そして、7月2日に現れたのはドンディアオ級の情報収集艦であり、定期的に目撃されている「スパイ船」です。おそらく、要衝である津軽海峡における自衛隊の警戒監視能力や電波・通信をスパイしていたのでしょう。

 

統合幕僚監部より引用

しかし、この情報収集艦は海峡中央部の公開だけではなく、一時は領海に入って航行したとのことです。これ自体は問題はないのですが、中国海軍の軍艦が領海を航行するのは去年6月に大隅海峡で確認された以来の出来事です。2004年に起きた中国潜水艦による領海侵犯事件も含めるならば、3回目です。

 

領海侵入と侵犯の違いとは?

さて、今回は領海侵入です。でも、これって領海侵犯と何が違うのでしょうか?まず、国際法からおさらいしましょう。

先ほど、津軽海峡の領海が3海里に自主制限されており、中央部は公海であると説明しました。この公海部分はどんな船舶や航空機であれ、通過通行権があります。つまり、速やかに航行して通過するのであれば、軍艦、潜水艦、核搭載船でも問題なく大丈夫なのです。ちなみに、この場合の潜水艦は潜航したままで良いです。

もちろん、沿岸国(この場合は日本)に対して威嚇したり危害を加える行為があれば、この通過通行権は認められません。本当は情報収集もアウトなのですが、その場でスパイ活動をしていたと証明するのが難しいですからね・・・

では、領海だとどうなるのか?領海では無害通航権というのが認められています。これは通過通行よりも制限されており、潜水艦は浮上して国旗を掲揚しなければなりません。だから、2004年に潜航したまま領海に入った中国潜水艦は問題となったのです。基本的に、沿岸国に危害を加えなければ軍艦は通過できます。そのため、今回も領海には入ったものの「危害」とまでは言えないので国際法上は問題がないのです。

今回の中国艦の航跡(統合幕僚監部より)

この「無害」かどうかが領海侵犯と侵入の違いになります。沿岸国の防衛や安全に危害を与えるものであれば、領海侵犯になります。中国潜水艦事件の場合は潜航したままで「無害」ではなかったので領海侵犯に該当します。問題は何を「危害」と解釈するかです。

無害通航権も通過通行権もあくまで「継続的かつ迅速な移動」を前提とします。つまり、必要以上にゆっくり航行したり、一旦停まったり、ウロウロするのは基本的にダメです。むろん、これをまたどう定義したり解釈するかも問題なのですが・・・

例えば、尖閣諸島沖に中国公船が定期的にやってきますが、これはかなり難しい微妙なケースです。確かに、威嚇行為は今のところ見られません。ですが、迅速な移動をしているようには見えない時もあるのでそういう場合は「侵犯」に該当できます。それでも、向こう側は「継続的かつ迅速に移動していた」と言い張るでしょう。そのため、こちらが打てる手といえば、追尾しながら監視して圧力をかけたり、無線で警告するぐらいです。さすがに、撃沈するのは法的には難しいですし、それこそ中国側に軍事力行使の大義名分を与えてしまいます。

画像引用元:(統合幕僚監部HP)

1 2 ・・・次のページ

 

スポンサードリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です