ロシア外交とは?ウクライナ,軍事力,中国との関係は!?

2014年の前半はプーチン大統領率いるロシアがかなり世界を驚かせ、騒がせましたね。外交と軍事は車の両輪という有名な文言にあるように今回のウクライナ情勢はまさにこの二つを巧妙に用いたものと言えるでしょう。ロシアの外交と軍事力が大きな存在感を発揮し、そして冷戦以後、最悪の対立を生みました。そしてそれは現在進行形で起きているウクライナ東部の混乱にも拍車をかけています。ウクライナ問題で一気に注目を集めたロシア、そしてその外交。今回はロシア外交について詳しく見ていきましょう。

 

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ロシアといえばかつてはアメリカと対峙した東側陣営の盟主でしたが、ソ連崩壊後の経済混乱と停滞で二強の座からは転落しました。しかし、国内で豊富に産出される天然ガスや石油、ソ連時代から蓄積した優秀な技術を基に高性能な兵器を生み出す軍需産業などによって近年は経済成長を遂げています。さらに政治的には国連安保理の常任事理国であり、かつ世界有数の軍事力、核戦力の保有国であるのは紛れもない事実。そしてその影響力は無視できるものではありません。ではその影響力の大きいロシアの外交とは?

 

ロシアといえば北方領土問題が思い浮かぶでしょう。実際ロシアは世界一の国土面積を持つため、隣接する諸外国との領土問題・紛争を多く抱えていました。ソ連時代の中ソ国境紛争などが有名ですね。今回のウクライナ問題も新たな領土問題といえるでしょう。しかし、ソ連崩壊直前、そして新生ロシア誕生後はこの諸外国との領土問題を積極的に解決しています。特にプーチン大統領は領土問題解決に意欲的です。主な例は・・・

 

1991年 中ソ国境協定(ダマンスキー島など)

1994年 中露国境協定(中央アジア部分)

2004年 中露国境問題を全て解決

2010年 バレンツ海におけるノルウェーとの境界問題を解決

2014年 エストニアとの国境問題解決

 

現在ロシアが持っている領土問題として公式に認めているのは日本との北方領土問題だけになります。傾向を見るとロシア側も譲歩して折半という形の解決が多いようです。そして上記の年表を見たら分かるようにロシアにとって領土問題で一番の懸念だったのが長大な国境線を接する中国だったのです。

 

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中国はロシアの約10倍の人口を持ち、経済成長もロシアをはるかに超えています。そんな膨張する中国と領土問題を放置しておくことはロシアの安全保障に関わってくる問題です。実際、モスクワでは膨張する中国によって人口の少ない極東ロシアは併呑されてしまうのではないかという不安もあるようです。プーチン大統領も中国東北部から極東ロシアへの大量の中国人移民や出稼ぎ者の流入にある種の危機感を抱いているとも言われています。軍事的にも拡大の一途をたどる中国軍に対して広大な国土面積を接するロシアは少なからぬ不安を覚えています。北方領土に駐留する部隊の装備更新も将来的にそこを通るであろう中国海軍艦艇へ向けてのものとも言われているほどです。

 

しかし、ロシアとしても中国の持つ13億人の巨大市場はかなり魅力的です。特に資源開発・輸出に頼るロシア経済としては中国のマーケットは大きなチャンスです。中国に資源のみならず、工業製品を売って自国の産業を育成する。ロシア経済の近代化を目指すためには中国の巨大マーケットを利用したいという思惑がもちろんあります。つまり、中国は安全保障上の潜在的な脅威でもあるが、経済面では大きなお客さんでもある。その表れが先月に結ばれたガス契約です。

新設されるパイプラインを通じて30年間にわたり毎年380億立方メートルの天然ガスを供給する。総契約額は4000億ドル以上。

 

ウクライナ問題で欧州向け将来的なガス供給が不透明性を増す中、輸出先を分散してリスクを回避しようという巧みな外交が見えます。さらにアメリカのシェールガス革命により来年にも対外輸出が始まる見通しなので競争は激化するでしょう。お客さん確保のためにもアジアに目を向けたロシアは今後、積極的にガスを売り込むことが予測されます。韓国や日本が大きな商談相手となりうるでしょう。

 

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さて、ロシアは兵器輸出でも近年積極的に活動しています。現に2011年にはロシアの武器輸出額が過去最高となりました。それだけ世界にはロシアの武器が溢れているということです。例えば中国軍の兵器の多くが元は旧ソ連、ロシアの技術を使用していることは有名ですよね。シリア、北朝鮮、インド、ベトナムなど現在も多くの国々に戦闘機やミサイル、潜水艦を輸出しています。しかし、これはいわゆる「武器外交」という側面も持ちます。

 

先ほど安全保障の潜在的脅威として中国を意識していることを述べましたが、中国と対峙するベトナムに潜水艦、インドに戦闘機を売却して力のバランスを図っています。シリアにしてもアサド政権に地対空ミサイルなどを売却することで欧米の支援する反政府軍を間接的に撃滅しようとしています。アメリカが中国に対抗するために台湾に武器を売却するのと同じですね。

 

だからと言って中国には輸出しないわけではありません。中国は旧ソ連時代からのお得意様ですからね。実際、中国とは最新のSU-35戦闘機を売る方向で調整をしています。現在は価格交渉中ですが今回のガス交渉のように突然契約が成立する可能性もあります。ただし、最新の武器輸出によって力を持ちすぎないように中国の潜在的な敵にも売るというのがロシアの武器外交です。

 

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先月下旬にも行われた軍事演習のように中露が接近していることは確かです。しかし、中国とは地域における覇権争いという意味では対立します。例えば、中央アジアの国々への影響力は伝統的にロシアの方が強かったのですが、ここ十数年で中国が存在感を強めています。中央アジアを裏庭として認識するロシアにとってはこの地域に中国の影響が及ぶことは快くありません。さらに、近年氷が解けて新たな航行ルートとして有望視される北極海においても中国が砕氷艦を送るなど存在感を強めています。北極海はロシアにとってはまさに「自分の海」ですから安全保障面から考えてここに他国の艦艇が航行することには嫌悪感を覚えます。

 

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